pherim㌠

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pherim㌠さんの日記

(Web全体に公開)

2026年
03月02日
14:49

ふぃるめも398 東京国際映画祭2025《2》ワールド・フォーカス部門

 
 

 今回は、第38回東京国際映画祭(2025年10月27日~11月5日開催) ワールド・フォーカス部門から10作品を扱います。

 タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート[https://twitter.com/pherim]まとめです。強烈オススメは緑超絶オススメは青で太字強調しています。(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)


 
■ワールド・フォーカス
 https://2025.tiff-jp.net/ja/lineup/list.html?keyword=&...
 
『トンネル:暗闇の中の太陽』
ベトナム戦争下クチのトンネル戦闘を描く大傑作。
虫との共生、そこにある物で闘うゲリラ戦術、全長250kmの重層構造、ベトコン内部の権力勾配など描写の解像度が逐一極上。
さらにブイ・タック・チュエン監督の妖気放つ性愛演出がビタ嵌る、TIFF2025極私ベスト。

"Địa Đạo: Mặt Trời Trong Bóng Tối" "Tunnels: Sun in the Dark" https://x.com/pherim/status/1985613504511164686

※追記予定。アンジェイ・ワイダ神作『地下水道』に匹敵する細部描写のきめ細やかさは、現場を知る人間が製作へ関与できた共通項ゆえか。“ベトナム戦争映画傑作”すなわちアメリカ映画だった時代を終わらせた画期作。対戦車地雷開発シーンは、『輝かしき灰』の舟陸揚げレール場面を彷彿とさせ、監督機械仕掛け好きそう。とか。

『輝かしき灰』https://x.com/pherim/status/1593074581530906626
『地下水道』“Kanał”1956 https://x.com/pherim/status/1554299625519316992
クチのヴェトコン地下トンネル網へ行きましたよツイ https://x.com/pherim/status/439932408305971200





『ル・ラック』Le Lac
ゴダール晩年の撮影監督ファブリス・アラーニョによる映像作。
ヨットレースへ挑む水上の中年カップルを映し続け、ときに凪ぎまた嵐に見舞われる自然音が豊穣。人間の小ささや、すべてが湖面で進行する浮遊感も相俟って、固有の没入感覚が趣深い。
https://www.facebook.com/watch/?v=1930072527860495
"Le Lac" https://x.com/pherim/status/2004911724303184149

Scénarios & Exposé du film annonce du film “Scénario” 2024 https://x.com/pherim/status/1877549087928574330
『イメージの本』https://x.com/pherim/status/1121260363889037312

ゴダール連ツイ『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』ほか https://x.com/pherim/status/1513786913844473859





『マスターマインド』The Mastermind
ケリー・ライカート最新作は、1970年代マサチューセッツで、絵画泥棒を企む大工の話。
ジョシュ・オコナーが、ヘマを重ねながらもどこか楽観的な男を好演する。墓泥棒の優雅さからは遠い、とはいえレトロアメリカ再現も音楽も心地よい軽快作。

"The Mastermind" https://x.com/pherim/status/2000042607473488263

『ショーイング・アップ』https://x.com/pherim/status/1736568980691890446
『ファースト・カウ』https://x.com/pherim/status/1737626666216956214
『リバー・オブ・グラス』https://x.com/pherim/status/1441027143895449610

『墓泥棒と失われた女神』 https://x.com/pherim/status/1809053584287543650
拙稿「光の糸が導くもの」https://www.kirishin.com/2024/07/31/67682/





■ワールド・フォーカス 台湾電影ルネッサンス2025 ~台湾社会の中の多様性

『人生は海のように』人生海海
父の葬儀のためマレーシアへ帰った青年が、遺体の扱いなど文化摩擦から不条理時空へ嵌る廖克發監督作。
父のイスラーム改宗が起こす道教儀式vs宗教警察場面ほか、マレー&華僑混淆社会の描写が時間軸を百年単位へ広げる構成は見事。黙視録の陳雪甄/Vera Chen出演。

"人生海海" "The Waves Will Carry Us" https://x.com/pherim/status/2018281026477596924

『黙視録』Stranger Eyes https://x.com/pherim/status/1862676152827224561
『葬送のカーネーション』“Cloves & Carnations” https://x.com/pherim/status/1744189386747732234
『箱』 “La Caja” https://x.com/pherim/status/1508640528694341633





『エイプリル』丟包阿公到我家
服役を終えた三男が帰郷すると、要介護の老父は家政婦に連れられフィリピンへ旅立っていた。
すれ違い家族の宥和を描く筋立てはシンプルながら、お国柄やメイド事情を背景に綴られる人情演出が滋味深い唐福睿監督作。
“老狐狸”↓とは逆の息子役を劉冠廷/Liu Kuan-tingが好演。

"丟包阿公到我家" "April" https://x.com/pherim/status/2024095456914251993

『オールド・フォックス 11歳の選択』“老狐狸” https://x.com/pherim/status/1801459928718315581
『1秒先の彼女』https://x.com/pherim/status/1406462731008417800
『無聲 The Silent Forest』https://x.com/pherim/status/1482166721259933698





『ダブル・ハピネス』雙囍
香港人の恋人と結婚したい台湾人シェフ(劉冠廷)が、離婚し仲の悪い両親のため2つの式を同日敢行するが。
ウェディング・バンケット(喜宴)他、結婚式映画の傑作系譜を更新する面白さで、文化差描写の厚みに唸る。
吉岡里帆のピンポイント出演も利く。

"雙囍" "Double Happiness" https://x.com/pherim/status/2027345374256693470




『木々の隙間』樹冠羞避
母を亡くしたニェン/韓寧と、恋人のタイ人女性ザイの暮らしへ、旧態満載の祖母が転がり込む。
さり気ない同性愛描写の瑞々しさ、遠い娘への想い。釣り堀管理人+古式マッサージの主人公設定が利く。
原&英題Crown Shynessは、森林上層で木々が互いに隙間を保つ現象で深趣。

"樹冠羞避" "Crown Shyness" https://x.com/pherim/status/1993671601146257433

『ブルー・サン・パレス』藍色太陽宮 Blue Sun Palace https://x.com/pherim/status/1869206567977157035
『ラヴソング』甜蜜蜜 https://x.com/pherim/status/1189920106987442176
『ブラインド・マッサージ』“推拿” 2014 https://x.com/pherim/status/1613384382282358784





■ワールド・フォーカス 第22回ラテンビート映画祭 IN TIFF

『ドリームズ』Dreams
アート業界の裕福な米国人女性が、後援しつつ愛人にしたメキシコ難民ダンサーに失踪されてマジ傷心。
ミシェル・フランコのバランス感覚炸裂、後半過剰ながら“或る終焉”から十年の軌跡は真に鮮烈。ジェシカ・チャステインの醒めた葛藤演技ほんと好き。

"Dreams" https://x.com/pherim/status/2029196642474406113

『あの歌を憶えている』2023 https://x.com/pherim/status/1889878117340291472
『ニューオーダー』2020 https://x.com/pherim/status/1531841606948913152
『母という名の女』2017 https://x.com/pherim/status/1006164133216043008
『或る終焉』2015 https://x.com/pherim/status/734869221834772480
『女神の見えざる手』https://x.com/pherim/status/920123721322446853





『波』La Ola
2018年チリの大学内で起きた、セクハラをめぐる告発&運動をミュージカル調で鮮烈に描く。
容易には倒れないしなやかさ、しぶとさ。終盤の訴求過剰にスキャンダル消費のリスクを感じるも、ナチュラルウーマン/聖なる証のセバスティアン・レリオに固有の力強さは健在。

"La Ola" "The Wave" https://x.com/pherim/status/2027001891910283679

セバスティアン・レリオ監督過去作:
『聖なる証』2022 https://x.com/pherim/status/1593800163168247809
拙稿「物語る奇跡のちから 『聖なる証』」https://www.kirishin.com/2022/11/21/57165/

『ナチュラルウーマン』2017 https://twitter.com/pherim/status/969932627095388160
『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』2017 https://twitter.com/pherim/status/1593949131030290432
『グロリア 永遠の青春』2018 https://twitter.com/pherim/status/1470210530552197120
『グロリアの青春』2013 https://x.com/pherim/status/1595256652567281665
『デストロイ8.8』“El ano del tigre”2011 https://x.com/pherim/status/1604811829917913093





『囚われ人』El Cautivo
若きセルバンテスが、オスマン海賊に捕われ幽閉された日々。
アルジェ支配者お気に入りの男娼&語り部となる描写など趣深い。
ドン・キホーテより波瀾に満ちた大作家の生涯を千夜一夜風に結晶させる、流石アレハンドロ・アメナーバル監督作。

"The Captive" "El Cautivo" https://x.com/pherim/status/2031206197244866922

『リグレッション』2018 https://x.com/pherim/status/1045130199006728192
《スペインのイメージ展》https://x.com/pherim/status/1697941867097366865






 余談。10月開催TIFFの第二投稿まとめが不覚にも3月。毎年のことながら、なんのかんの遅れちゃいますの。会期中に他事抱えすぎる悪習をまず変えないと。今秋こそ、は。と書き置く仕草。





おしまい。
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