今回は、2月13日の日本公開作と、イスラーム映画祭エンサイクロペディア刊行記念特別上映など10作品を扱います。(含配信アニメ1クール/再掲1作)
タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート
[https://twitter.com/pherim]まとめです。
強烈オススメは緑、
超絶オススメは青で太字強調しています。
(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)
■2月13日公開作
『クライム101』Crime 101
クリス・ヘムズワースの知能犯 vs 気骨の刑事マーク・ラファロ、HEAT級の鋭き対峙を堪能する。
LA湾岸ゆく101号線のみに限定した犯行と捜査との攻防が、変化に富む風景と緊迫感あるアクションで引き立つ良構成。
ハル・ベリー、ニック・ノルティ、バリー・コーガン各々出色。
"Crime 101" https://x.com/pherim/status/2021777954754511091
『タイラー・レイク 命の奪還』https://x.com/pherim/status/1260789617160142848
『ミッキー17』https://x.com/pherim/status/1903768318600962458
『マイ・サンシャイン』https://x.com/pherim/status/1069963555867426818
拙稿「すこやかなる、まことの王たち『マイ・サンシャイン』」https://www.kirishin.com/2018/12/05/21307/
『超時空英雄伝エイリアノイド PART1:神剣激突』
人間に幽閉された外星人を巡る、アンドロイドやら脱獄囚やらの攻防。
という、訳のわからない設定を勢いで押し通す謎迫力に茫然自失。かつてハリウッドが独占したCG大作感が世界伝播し土着化する範例にも思え、韓流やボリウッドに続く他文化圏産も今後楽しみ。
"외계+인 1부/Alienoid1" https://x.com/pherim/status/2018880292489138410
『カルキ 2898-AD』https://x.com/pherim/status/1871896976192864618
『暗殺』https://x.com/pherim/status/751571195275784192
『スペルマゲドン 精なる大冒険』Spermageddon
性の初体験もくろむ少年少女と、精子たちの大冒険とが並行するノルウェー産セックスコメディ。
脳司令室や大腸菌やウンチなど“インサイド・ヘッド”orはたらく細胞ノリで“ソーセージ・パーティー”の低俗ギャグを貫き全編笑う。
"Spermageddon" https://x.com/pherim/status/2018650708795699694
『インサイド・ヘッド』https://x.com/pherim/status/641425936554967040
『ライリーの初デート?』https://x.com/pherim/status/1825127622680142270
『ソーセージ・パーティー』https://x.com/pherim/status/1272030733645737984
『バイオレント・ナイト』https://x.com/pherim/status/1606635938331103241
『ANIMAL』
ゴッドファーザーをアクション主体でやり切り、全編工夫に満ち全員がイキりまくるボリウッドエンタメ極北作。
主演ランビール・カプール、やさ男な青年演技からスタローン化しゆく変容ヤバい。
暴力描写の突き抜けたテルグ語映画監督が、ヒンディー語映画を撮る層の分厚さに眩暈する。
"ANIMAL" https://x.com/pherim/status/2021187410101432590
『ジェイラー』Jailer https://x.com/pherim/status/1890945702806671374
『KILL 超覚醒』https://x.com/pherim/status/1988209087239385442
『道行き』
奈良中部・御所市の古民家へ移り住んだ若者(渡辺大知)の目線を通した、移ろう時と変わりゆく路地描く中尾広道監督作。
町の昔を知る人々を演じる、浄瑠璃の三世 桐竹勘十郎、行動学者/細馬宏通、俳優/大塚まさじらの醸すおっとり時空にモノクロ映像が映える。
"Michiyuki -Voice of Time" https://x.com/pherim/status/2021433761628577885
『再会の奈良』(又見奈良) https://x.com/pherim/status/1487734716962795523
『かぞくわり』https://x.com/pherim/status/1082994748397240321
■ヨアキム・トリアー オスロ三部作 2月13日~Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下
https://www.bunkamura.co.jp/cinema/lineup/26_joachimtrier...
『わたしは最悪。』
才色兼備の女ユリヤは、多才さ聡明さに引きずられ次々に関心事を変え、己の道も男も定まらない。
お仕着せのモラルを突き破る感情描写の密度が素晴らしい。妊娠や病気が物語を転がす“あるある感”が活きるのは、その内で初めて自分を生きだす姿が瑞々しくもリアルだからだろう。
"Verdens verste menneske" "The Worst Person in the World" https://twitter.com/pherim/status/1542346409625604097
ヨアキム・トリアー監督過去作↓
『テルマ』 https://twitter.com/pherim/status/1078391150212313088
『わたしは最悪。』のヨアキム・トリアー監督オスロ3部作すべてに出演するアンデルシュ・ダニエルセン・リー
(『わたしは最悪。』では病患う恋人役)の過去出演作↓
『サマーフィーリング』 https://twitter.com/pherim/status/1146249717363331072
『ウトヤ島、7月22日』 https://twitter.com/pherim/status/1101360399956402176
■イスラーム映画祭エンサイクロペディア刊行記念特別上映 2月1日ユーロライブ
『アル・リサーラ』 1976
ムハンマドの軌跡描くムスタファ・アッカド監督大作。
3時間半作品の6年ぶり再鑑賞、この間に得た知見も手伝いクルアーン再現やラクダ部隊など戦術描写ほか新鮮な発見多く楽しめた。イスラーム映画祭エンサイクロペディア刊行記念特別上映。
"الرسالة" "The Message" https://x.com/pherim/status/2018115451520430561
『アル・リサーラ』上映後、アラブ映画研究者/佐野光子さん+主宰/藤本高之さんの白熱トーク。開祖描く困難と、カダフィ大佐のリビアや強権モロッコで撮影された経緯他。RT画↓の2人実の兄弟と知る。→
https://x.com/pherim/status/1239380170567376897
イスラーム映画祭延長版、神戸/元町映画館では3/21~23別の2作上映予定。
(以下2020年初見時ツイ)
イスラーム開祖ムハンマドの事績描く大作’76。ハリウッド俳優版と同時に製作されながら幻の存在と化していたアラブ・キャスト版。聖遷を経たメッカ奪還までの攻防が軸で、多神教時代のカーバ神殿再現めっちゃ見入る。図像化禁忌のムハンマドへの視覚憑依に謎感動。
“『アル・リサーラ』のムハンマド視覚移入は図像化に相当しない”が端的な根拠になるかと。ただ「なぜお目をそらすのです!」と信徒が視界に居座ろうとする仕草などVR体験に近い新鮮さがあり、アラブ文学者の岡真理さんに立ち話で質問したところ「私も同じことを感じた」と。(続
ムハンマドの視覚簒奪との反感も誘いそうなほどにコントロール感伴う『アル・リサーラ』のこの演出に対しては、私見を言えばクルアーン井筒俊彦訳が“解釈”とみなされ許容されるのに近い感覚が働くのかなと。シーア派初代イマームのアリーなど、躍動する叉裂き剣に覇気宿る表現が滅茶カッコ良かった。
図→https://twitter.com/pherim/status/1239477909909196800
それで岡真理さんへ尋ねた主旨は、ムハンマドの偶像化よりも記号化寄りの、映画よりは文学へ傾くものだったけど、慌しい場に相応しいものではなかったし、『アル・リサーラ』上映後トーク登壇者の方が岡さんへ声をかけたのを機に身を引いた。お話を聞けて良かったです。感謝。
岡真理『アラブ、祈りとしての文学』(よみめも36):
http://cloudcity-ex.com/?m=pc&a=page_fh_diary&tar...
よみめも36:https://tokinoma.pne.jp/diary/2538
“私たちが書かない物語の運命がどうなってしまうか、あなた、分かっていて? それは敵のものになってしまうのよ。”
(イブラーヒーム・ナスラッラー「アーミナの縁結び」https://twitter.com/pherim/status/1239577422636273665)
『アル・リサーラ』トークはシリア人ジャーナリスト、ナジーブ・エルカシュさん。作品解説とムスタファ・アッカド監督の遍歴語る前半は絶妙な冗談で会場を沸かせ続け、アレッポの惨状語る後半は涙ぐみ言葉に詰まる一幕も。恐縮されていたが、具体言及伴うこの振幅こそ強烈な“メッセージ”を体現してた。
アッカド監督が爆弾テロに斃れたとの話に、岡真理さんの本を読む機縁となった演出家ガンナームの師匠カナファーニー爆死を想起。想起の場こそ大切と感じるゆえ、ナジーブさん激推し“シリア大空襲”参加投稿は、伊達男エドワード・サイード大写しにて。
https://facebook.com/syriasky/
『アル・リサーラ/ザ・メッセージ』に登場する多神教時代のカーバ(カアバ)神殿。周囲の地べたが覗けるこの構図、みた瞬間に心あたりがと感じたら、直近のコロナ報道だったという。
https://afpbb.com/articles/-/3271944
神殿内部の偶像が原始的でおどろおどろしく、いかにも邪教っぽい造形でちょっと笑いました。
■VOD配信/TV放映作(非劇場公開作)
『新年早々 不適切にもほどがある!』
無限分身しだす阿部サダヲ笑う。
オリジナル放送時から1年たつと、これを笑って許せなかった勢の理由が思い出せないしよく分からない。
江口のりこ炸裂。河合優実ハッスル、磯村勇斗も古田新太も一層弾けており良い。正月定番になったらいいなぁ。
"" https://x.com/pherim/status/2014694791674790280
『不適切にもほどがある!』全10話 https://x.com/pherim/status/2009838866757570560
『愛に乱暴』https://x.com/pherim/status/1825395227948953810
『旅と日々』https://x.com/pherim/status/1977203766089994379
『オーダー』The Order
実在した白人至上主義テロ集団と、ジュード・ロウ=FBI捜査官の鋭き対峙。
キリスト教カルトのカリスマ役ニコラス・ホルトどハマリ。
’80sアイダホの大自然を背に、ネット以前の捜査が低音進行する予想外の良ノワール味に見入る。ラスト圧巻。
"The Order" https://x.com/pherim/status/2017962808634437821
『ニトラム NITRAM』https://x.com/pherim/status/1505020829750362117
『アサシンクリード』https://x.com/pherim/status/837091498281877506
『ウィンド・リバー』https://x.com/pherim/status/945493572815425538
『エデン ~楽園の果て~』https://x.com/pherim/status/1990765800417001498
『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』全13話
舞踏会での理不尽な婚約破棄から、悪辣なレッテル貼りと嫌がらせでどん底へ、とはならずに拳一発を見舞わす武闘派令嬢の痛快進撃
華奢な公爵令嬢がアホ強くて、やさ男貴族は心酔するし悪代官もひれ伏す裏返された王道展開が小気味よい
"" https://x.com/pherim/status/2015028019656835435
余談。アテネ・フランセ文化センターにて、1950年代韓国映画傑作選。2026年2月12日(木)―2月21日(土)。
《1950年代韓国映画傑作選》
https://athenee.net/culturalcenter/program/ko/50skoreanci...
トーク回行くかもー。
おしまい。
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