今回は、2月10日~16日の日本上映開始作を中心に、10作品を扱います。(含短編3作/再掲1作/ドラマ1season)
タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート
[https://twitter.com/pherim]まとめの第297弾です。
強烈オススメは緑、
超絶オススメは青で太字強調しています。
(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)
■2月10日公開作
『フジヤマコットントン』
山梨県の障害福祉サービス事業所《みらいファーム》を撮る青柳拓監督作。
綿摘みから糸が紡がれ、機織り機を通し鮮やかな織模様が生み出される。経糸緯糸の紡ぐ時間こそ主役とでもいうように映画は、人々の働く姿を丹念に写し取り、滋味深い言葉を聴き取っていく。
"" https://twitter.com/pherim/status/1758831994014941237
『幸福は日々の中に。』https://twitter.com/pherim/status/748093470569431040
『ラプソディ オブ colors』https://twitter.com/pherim/status/1398492850732498946
『アダマン号に乗って』https://twitter.com/pherim/status/1652520482753875968
『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』https://twitter.com/pherim/status/1224529111910998017
■2月16日公開作
『ボーはおそれている』
アリ・アスター+A24新作がとんでもない。
ホアキン・フェニックスがパジャマで旅する神話的冒険は森をぬけ、現代人の脆い心の奥底へ。
『ヘレディタリー/継承』の箱庭描写をディストピア都市へ展開、『オオカミの家』監督参加の奇想演出も珠玉。
"Beau Is Afraid" https://twitter.com/pherim/status/1758050760322080836
『ヘレディタリー/継承』https://twitter.com/pherim/status/1078192681652674560
『ミッドサマー ディレクターズカット版』https://twitter.com/pherim/status/1238658264977440768
『オオカミの家』https://twitter.com/pherim/status/1692764713392980417
『骨』“Los Huesos”https://twitter.com/pherim/status/1693814529325731943
『カモン カモン』https://twitter.com/pherim/status/1515179715815874568
『ビューティフル・デイ』https://twitter.com/pherim/status/1004353998537687040
『テルマ&ルイーズ 4K』
バディ物ロードムービー究極系の4K帰還。
リドリー・スコット1991年作で、超絶エンタメながら #MeToo の4半世紀前にこの性差別巡る尖りまくった社会風刺の連打は圧巻。スーザン・サランドンの複雑な表情演技が本当に魅せる。
20代ブラッド・ピットの瑞々しさがまたヤバい。
"Thelma & Louise 4K Restoration" https://twitter.com/pherim/status/1758408735679214036
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』https://twitter.com/pherim/status/1292699235675041794
『ネバー・ゴーイン・バック』#NeverGoinBack https://twitter.com/pherim/status/1602133335207469056
■国内過去公開作(含映画祭上映作)
『しあわせのパン』
北海道の洞爺湖ほとりでパン屋カフェを営む夫婦の日々。
原田知世と大泉洋の浮遊感に、矢野顕子&忌野清志郎の歌が乗るやきたて雲状パン感覚なごむ。
2012年1月公開の三島有紀子監督&脚本作で、明示されない屈託を抱えたヒロインが子を宿す展開、今からみれば何とも意味深。
"" https://twitter.com/pherim/status/1746730446178930988
『幼な子われらに生まれ』
すれ違う家族の心が軋みをあげる中、お腹の子は育ちゆく。義妹の誕生を畏れる長女、元夫を恐れる妻。
浅野忠信と田中麗奈の緊張孕む夫婦演技を、元妻/寺島しのぶ、元夫/宮藤官九郎の好配役が輪郭づける三島有紀子監督’17年作。長女役/南沙良、沈み込む表情の深さに慄える。
"" https://twitter.com/pherim/status/1746011723109470607
『Red』
https://twitter.com/pherim/status/1226711689493504001
『狼煙が呼ぶ』
https://twitter.com/pherim/status/1214015089335918592
『よろこびのうた Ode to Joy』 DIVOC-12
ワーキングプア化した75歳女性が、
心優しい青年からある依頼を受ける。
富司純子と藤原季節。見ず知らずの他人に望まれ保険金のため命を奪う高齢女性の苦悩。仲介する青年による音無しの絶叫に、現代の不穏重ねるコロナ禍下の三島有紀子監督短編2021年作。
"" https://twitter.com/pherim/status/1753646712445665585
『わたし達はおとな』https://twitter.com/pherim/status/1534869984719302656
『インペリアル大阪堂島出入橋』
大阪・堂島の老舗洋食レストラン最後の夜、ベテランシェフがハンバーグ皿を片手に夜の大阪へと歩みだす。
佐藤浩市が深夜の大阪都心を800m歩き続ける長回しが超絶魅力的な三島有紀子監督短編2022年作。和田光沙の一閃秀逸。
"" https://twitter.com/pherim/status/1754753365450555809
※オムニバス『MIRRORLIAR FILMS Season2』内の短編。
2人の面白製作話→https://mini-theater.com/2022/02/15/mirrorliar-films-seas...
『春に散る』https://twitter.com/pherim/status/1694923414702801177
『岬の兄妹』https://twitter.com/pherim/status/1099214692705136640
『エヴァーグリーン・ゲーム』 2023
沈潜する闘志と、発光する情熱。石井仁蔵の同題原作(第12回ポプラ社小説新人賞受賞作)に基づく、三島有紀子短編2023年作
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『聖の青春』https://twitter.com/pherim/status/799850034770477056
『チェス狂』https://twitter.com/pherim/status/1121038009778860033
『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』https://twitter.com/pherim/status/1681153469472968704
『ファヒム パリが見た奇跡』https://twitter.com/pherim/status/1293017253353422848
『完全なるチェックメイト』https://twitter.com/pherim/status/670805846402711552
■日本公開中作品
『一月の声に歓びを刻め』
幼少時の傷と、家族の変容、罪と赦し。
洞爺湖中島、八丈島、大阪堂島。
47年前の性暴力被害と向き合う三島有紀子監督新作は、水面が死と生を繋ぎ橋が心を架橋する。
前田敦子の痛切な絶唱に、黒沢清『旅のおわり世界のはじまり』も想起された。
"" https://twitter.com/pherim/status/1755595226050330917
三島有紀子監督作スレ(『Red』など現在6作):https://twitter.com/pherim/status/1226711689493504001
拙稿「橋上にひびく水音 『一月の声に歓びを刻め』三島有紀子監督インタビュー」
https://www.kirishin.com/2024/02/09/64849/
■VOD配信/TV放映作(非劇場公開作)
『岸辺露伴は動かない』シーズン1
高橋一生の怪演ハマる、ジョジョの奇妙な冒険スピンアウト秀作。
菊地成孔の音楽秀逸。劇伴が台詞の音節レベルで随伴するリズムは爽快。NHK純正ウェルメイドで飽きさせず、森山未來ら脇役陣ノリノリで楽しい。葉山加地邸(遠藤新設計=ライト直弟子)ロケも眼福。
"Thus Spoke Rohan Kishibe" https://twitter.com/pherim/status/1754135227407184158
『スパイの妻』https://twitter.com/pherim/status/1304949557998923776
ジョジョ立ち/エゴン・シーレ https://twitter.com/pherim/status/824471549042241536
余談。『一月の声に歓びを刻め』記事が、ことし初の監督インタビュー/対面仕事となりました。去年よりは増やさないとな、など思う次第。
拙稿「橋上にひびく水音 『一月の声に歓びを刻め』三島有紀子監督インタビュー」
https://www.kirishin.com/2024/02/09/64849/
おしまい。
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