pherim㌠

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pherim㌠さんの日記

(Web全体に公開)

2025年
10月07日
19:05

ふぃるめも377 《ザンドラ・ヒュラー 変幻する〈わたし〉のかたち》上映全作

 
 

 今回は、10月3~16日開催の特集企画《ザンドラ・ヒュラー 変幻する〈わたし〉のかたち》上映全作ほか10作品を扱います。(含配信アニメ2クール/短編1作/再掲4作)
 
  拙稿「ザンドラ・ヒュラー、その質実なる目線。」
  https://www.kirishin.com/2025/10/03/79929/

 タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート[https://twitter.com/pherim]まとめの第377弾です。強烈オススメは緑超絶オススメは青で太字強調しています。(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)


 
■《ザンドラ・ヒュラー 変幻する〈わたし〉のかたち》
 https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/nlk/san.html
 
『レクイエム』Requiem 2006
1970年代、西ドイツの田舎町で、てんかんを抱える少女が自らを悪魔憑きと信じ込む。
名優ザンドラ・ヒュラー20代の初期作で、狂気の淵に立つ魂の瑞々しさを体現する。同じ史実を元にエクソシズムを描く“エミリー・ローズ”に比べ、生活&内面描写のリアリティが半端ない。

"Requiem" https://x.com/pherim/status/1969534991676944540




『エリザベートと私』Sisi & Ich 2023
独身で中年を迎えた伯爵令嬢イルマが、オーストリア皇后エリザベートの侍女となる。孤独な二人が逼塞しゆく共依存の沼底に煌めく熾火。
歴史物ゆえの単調さを予感するも、二人で崖から海へ飛び込み駆け馬へ転調したりとよく動く。

"Sisi & Ich" https://x.com/pherim/status/1970316515359764854




『二対一 東ドイツ通貨統一の夏に発見した大切なこと』Zwei zu Eins 2024
これは楽しい団地史劇。
統一の渦中に東独の団地住民が団結、死蔵された東ドイツマルク紙幣の換金を目論む。
主演ザンドラ・ヒュラー同様に東独出身で、日本では鑑賞機会の少ない名優Peter Kurthも快演。

"Zwei zu Eins" https://x.com/pherim/status/1972503121344782763

Peter Kurthツイ https://x.com/pherim/status/1435228516715425804




『関心領域』“The Zone of Interest”2023
幸福な家族景、の壁向こうから響く不穏。
アウシュビッツ収容所長ルドルフ・ヘスの邸宅が象徴する他者犠牲への無関心ぶり、その今日性に震撼する。
ただ理想の家庭イメージを追い求める姿が狂気そのものと化す、主婦役ザンドラ・ヒュラーの凄演に息を呑む。

"The Zone of Interest" https://twitter.com/pherim/status/1791069859855626657

Jamiroquai “Virtual Insanity” MV(1996) https://twitter.com/pherim/status/1318046104450068480
『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2013) https://twitter.com/pherim/status/1325097906660012033
“The Fall” 2019 https://twitter.com/pherim/status/1317371837643280385
“Strasbourg 1518” https://twitter.com/pherim/status/1331547232877780993
『復讐者たち』https://twitter.com/pherim/status/1418414158622511107
『ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言』https://twitter.com/pherim/status/1551904889030135808

拙稿「『関心領域』 “The Zone of Interest”と呼ばれた場所」
https://www.kirishin.com/2024/05/26/66737/





『落下の解剖学』2023
山荘で男が転落死する。
殺人容疑者となった妻と、父の死を目撃した息子と犬を軸に回る法廷劇は後半、異様な展開を見せ始める。
寡黙なドイツ語名優の印象が濃いザンドラ・ヒュラーの、英仏語で切る啖呵は新鮮。カンヌ最高賞も納得の質実サスペンスに見入る。あとワンコ最高賞。

"Anatomie d'une chute/Anatomy of a Fall" https://twitter.com/pherim/status/1759919070437347361




『希望の灯り』In den Gängen 2018
旧東ドイツの巨大スーパーで働く、わけあり青年の寡黙な慕情。そこは荒涼とした夜空に浮かぶ輝点のように、東西統一後の変化から置き去りにされた郊外の心優しき人々を包み込む。フォークリフトの軌跡とバッハの音色が深く静かに流れゆく物語へ随伴する、映画という幸福にみちた2時間。

"In den Gangen" "In The Aisles" https://twitter.com/pherim/status/1112225278086897665




『ありがとう、トニ・エルドマン』Toni Erdmann 2016
お騒がせな父親に翻弄されるキャリアウーマンの娘、という構図がだらだら続くのを眺めるうちに、お?、おおお、お~、となって着地する素敵コメディ。《だらだら》が意図された抑制だと気づく時、現代人の日常への諷刺の鋭さに震撼する。本物の心優しさと不器用さ。

"Toni Erdmann" https://x.com/pherim/status/867640917800370176

『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』https://twitter.com/pherim/status/1481614277283020801
『ミュンヘン: 戦火燃ゆる前に』https://x.com/pherim/status/1554802372236681218





■VOD配信/TV放映作(非劇場公開作)

“Nöbetçi” The Watchman2023
国境を監視するトルコ兵士は、夜ごと越境してくる怪しい光を本部に報告するが、相手にされない。するとある夜、軍靴の響きが漆黒の夜空へ木霊する。
キプロス分断を象徴するギリシャ系の濃い集落を主景とする、長編The Dam↓の見え方も変わるAli Cherri監督秀逸短編。
https://www.instagram.com/reel/C2Ib8R8xFrj/
"Nöbetçi/The Watchman" https://x.com/pherim/status/1967781805614055429

『ダム』2022 https://x.com/pherim/status/1645986798831808514
『D.I.』https://x.com/pherim/status/1335140522810200064





『瑠璃の宝石』
私だって、採れるはず!
女子高生ルリが、鉱物学専攻の院生ナギと出逢って始まる鉱石採集アドベンチャー、なんて地味な体裁が、いざ始まってみると面白いの和むのしんみりくるの。
『薬屋のひとりごと』や『狼と香辛料』味も感覚される、探求系とでも言おうか好きすぎてもう麻薬。

"" https://x.com/pherim/status/1976971819497427429

『薬屋のひとりごと』https://x.com/pherim/status/1822176744662581417
『狼と香辛料』https://x.com/pherim/status/1482631143631785985
『葬送のフリーレン』https://x.com/pherim/status/1809876371503542620





『沈黙の艦隊 シーズン 1 ~東京湾大海戦~』全8話
大沢たかお、ユースケ・サンタマリアetc、良い。
何が良いってフル日本人キャストの大スペクタクルを、CG精度や説明台詞まわりで「日本作品としては頑張った」なんて留保なしにガチ楽しめる。AmazonMGM製作だけど、ガワがね。これでいいし、これがいい。堪能。

"" https://x.com/pherim/status/1975489996967891030

『ゴジラ-1.0』https://x.com/pherim/status/1719688998392865224
『シン・ゴジラ』https://x.com/pherim/status/905012605428699136






 秋ですねぇ。楽しく歩ける世界うれしい。





おしまい。
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