pherim㌠

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pherim㌠さんの日記

(Web全体に公開)

2025年
12月18日
18:38

ふぃるめも388 ポンヌフの戦士を見た少女

 
 

 今回は、12月13日~20日の日本公開作となど10作品を扱います。(含配信アニメ1クール/再掲1作)

 タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート[https://twitter.com/pherim]まとめです。強烈オススメは緑超絶オススメは青で太字強調しています。(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)


 
■12月13日公開作
  
『これからの私たち - All Shall Be Well』從今以後
還暦を過ぎたレズビアンカップルの終活模様。
前作『叔・叔』では男同士の高齢同性愛を描いた、楊曜愷/レイ・ヨン監督の質実描写に見入る。周囲の理解も篤く波風立てず暮らしてきたつもりが、1人が逝去した途端に軋みだす親類との遠さはつらい。

"從今以後" https://x.com/pherim/status/1999089201376379061

『ソク・ソク』“叔・叔” 2019 https://x.com/pherim/status/1743133855283114222
『翠絲』“Tracy” https://x.com/pherim/status/1166198914870984704


前作『叔・叔』で袁富華/ベン・ユエンとW主演した張嘉年=太保/タイポー、本作兄役で好演。その娘を演じたフィッシュ・リウ (廖子妤) めぐり追記予定。




『小川のほとりで』By the Stream
ソウルの女子美術大学での、演劇祭準備をめぐるユーモラス時空。
ホン・サンスいつメンによるロマンス展開の安定感なごむ。とはいえ主人公講師(キム・ミニ)の教え子たちが、叔父である演出家(クォン・ヘヒョ)と語らう宴席場面が、世代更新感も醸され新鮮。

"수유천/By the Stream" https://x.com/pherim/status/1999308766601449955

ホン・サンス連ツイ https://x.com/pherim/status/1538494657260564481
『WALK UP』https://x.com/pherim/status/1806306255356444854
『小説家の映画』https://x.com/pherim/status/1674391459452309504





■12月19日公開作

『ボディビルダー』Magazine Dreams
筋肉は裏切らない、はずだった。
祖父を介護し孤独に暮らす青年が、ボディビルドに全てを賭けゆく狂気と哀切。
SNS評価に苛まれる姿は“Taxi Driver”よりもずっと侘しく、“Joker”ほどには吹っ切れない無垢さが悲しい。作り笑いの空虚感が毎度凄い。

"Magazine Dreams" https://x.com/pherim/status/1999469068697645062

『ジョーカー』https://x.com/pherim/status/1187199233180356608
『ビューティフル・デイ』https://x.com/pherim/status/1004353998537687040
『ナイトクローラー』https://x.com/pherim/status/659966136025411584





『チャップリン』Chaplin: Spirit of the Tramp
喜劇王の知られざる横顔。
息子マイケルを案内役とする、孫娘カルメン・チャップリン監督作。ロマ出身でトレーラーハウス生まれだった等、名作群が一層深くなる発見満載。
ジョニー・デップやクストリッツァ、トニー・ガトリフらの語りも聞かせる。

"Chaplin: Spirit of the Tramp" https://x.com/pherim/status/2000531288147833270

『ガッジョ・ディーロ』“Gadjo Dilo” 1997 https://x.com/pherim/status/1624321187307491328
『エグザイル 愛より強い旅』“Exiles”2004 https://x.com/pherim/status/1640828119186821120
『独裁者』ほかヒトラー演者ツイ https://x.com/pherim/status/1397922216130453506





『無明の橋』
立山連峰を望む石橋のたもとへ集う女たち。
山岳信仰へ紐づく罪滅ぼしの行事《布橋灌頂会》に参加した女性が味わう不思議旅。
渡辺真起子演じる主人公と、静かな物語進行のもと触れ合う周辺人物の配置が印象的。殊に室井滋の懐深さ、木竜麻生の浮遊感、陣野小和の瑞々しさは趣深い。

"" https://x.com/pherim/status/2000780694566658260

『ゆきははなである 新野の雪まつり』https://x.com/pherim/status/1996933169522921846
『銀鏡 SHIROMI』https://x.com/pherim/status/1493939857009217542





■12月20日公開作

『少女はアンデスの星を見た』
誕生時、“男の子なら良かったのに”と母なる大地が嘆く神話大系からして生きづらい世界を少女がゆく。
苛烈な残酷物語の端々へ、現代日本との通奏低音が感覚される。前作“アンデス、ふたりぼっち”からの展開に感心するもカタコラ監督34歳夭折を知る。合掌。

"Yana-Wara" https://x.com/pherim/status/2001474889199521962

『アンデス、ふたりぼっち』https://x.com/pherim/status/1552847952401793025




『ポンヌフの恋人』4Kレストア版 1991
心の一作、極上の4K帰還に涙する。
黒く濡れる路面、橋上に吹く寒風、深夜の美術館へ響く靴音、セーヌ川面に映る花火。記憶が鮮やかに再燃されゆく。
ジュリエット・ビノシュ纏う衣の真紅、ドニ・ラヴァン吐く焔の翳り、雪の白、朝焼けの黄金。すべて完璧。

"Les Amants du Pont-Neuf" https://x.com/pherim/status/1997975860553629719

※『ポンヌフの恋人』再鑑賞ツイ(2013) :
ベタな話かもしれないが、白状すればカラックス『ポンヌフの恋人』は、劇場で一本の映画にハマる体験をした初めての作品だった。移住前のこの時期に、場所こそ変われど同じユーロスペースで彼の新作を観られて本当に良かった。諸行無常の響きあり。

『ボーイ・ミーツ・ガール』4K 1983(ツイURL近日追記)
『汚れた血』4K 1986(ツイURL近日追記)
『ポーラX』4K 1999(ツイURL近日追記)
『ホーリー・モーターズ』2012 https://x.com/pherim/status/340681489601662976
『アネット』2021 https://x.com/pherim/status/1505154409432420353
『It’s Not Me イッツ・ノット・ミー』2024 https://x.com/pherim/status/1915395960051769568

『Allégorie citadine 』2024 https://x.com/pherim/status/1897837573319672310

『5月の花嫁学校』https://x.com/pherim/status/1397030754169724930
『冬時間のパリ』https://x.com/pherim/status/1206049955112075266
『トスカーナの贋作』https://x.com/pherim/status/1829484736487772497





■国内過去公開作(含映画祭上映作)

『ウィキッド ふたりの魔女』Wicked
単なる今風ハリウッド大作ファンタジーかと思いきや。
アジア人蔑視を跳ね返す“クレイジー・リッチ!”からNY移民ミュージカル“イン・ザ・ハイツ”の流れを十全と受けたジョン・M・チュウ監督作、スケープゴートにされる山羊先生まで作り込みに圧倒され通し。

"Wicked" https://x.com/pherim/status/2001128478645870805

『ウィキッド 永遠の約束』Wicked: For Good
『クレイジー・リッチ!』https://x.com/pherim/status/1045882275164971008
『グランド・イリュージョン』https://x.com/pherim/status/368711853825744896
ミシェル・ヨー/楊紫瓊のゴールデングローブ主演女優賞獲得ツイ https://x.com/pherim/status/1614937702855757826





『クレイヴン・ザ・ハンター』Kraven the Hunter
ラッセル・クロウが、猟銃を構える息子を諭す富豪を演じるトロフィーハンティング&資本主義批判作。
……かなと配信をぼんやり観ていると、獣力を主人公が帯び、敵ボスも変身し始めのけぞる。事後スパイダーマン天敵のスピンアウトと知り和む。

"Kraven the Hunter" https://x.com/pherim/status/2001260706814202282

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』https://x.com/pherim/status/1665683213241679879
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』https://x.com/pherim/status/1498995386245025792

『クルーガー 絶滅危惧種』https://x.com/pherim/status/1510595234815565828
『ローグ』https://x.com/pherim/status/1387260595225829379
『サファリ』https://x.com/pherim/status/956855821287043072





■VOD配信/TV放映作(非劇場公開作)

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』
Beginingの驚きから、作品世界の解像度が上がる楽しみは期待値以上で最終話まで飽きずに観た。
異なる並行世界の事象が通念として共有される、一周廻ったマルチバース解釈を背景に置く新鮮さ。コロニー日常描写の箱庭的鮮烈さ。等々重畳。

"Gundam GQuuuuuuX"

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』https://x.com/pherim/status/1887120597618213316
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』https://x.com/pherim/status/1636210258006913024
『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』https://x.com/pherim/status/1861036529973670358




 

 余談。今月から始まるレオス・カラックス4Kシリーズや、秋先から始まってる月刊ホン・サンスみたいな中期連続上映企画みたいの、すこし新しい潮流味を感じるのだけどどうなんだろう。ミニシアターでの鑑賞習慣誘導の試みとしてはアリな気が。





おしまい。
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