あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
さて、今回は昨年タイ移住後にみた映画をめぐるツイート
[ https://twitter.com/pherim ]まとめの第三弾。日本ではこれから公開される作品も、すでにDVD化されている作品もあります。
強烈オススメは緑、
超絶オススメは青で太字強調してみました。
不意に気になり数えてみたところ、職場から30分圏内にシネコンが7つありました。平均すると各9スクリーン前後あるので、計60ほど。ただ東京との違いはミニシアター文化が本質的に欠落していることです。このためハリウッドとタイ以外の国でつくられた映画は、メジャー/マイナーを問わず観られる機会があまりない。
ならば東京のミニシアター文化って何なのだと考えると、この醸成には半世紀かかっているんですよね。まずそれを望む観客の育成段階があり、そのうえにインディペンデントで契約を取りに行く単館エージェントの稼働領域が生じる。この下地には落語や歌舞伎など庶民水準での鑑賞習慣や各国の公的な文化戦略なども相互に影響したりして、そういう「厚み」がこのバンコクにあるかといえばそれはない。
外見と規模の点でメガロポリス化する都市は、今後もアジア・アフリカ域にはどんどん生まれて来るだろうけれど、こうした「厚み」の観点から現代都市をみていくとまた別様の景色が開けてきそうです。日本の都市にはない種の「厚み」の種を新興メガロポリスが孕んでいる可能性への配慮はもちろん必要として。
『フィルス』。野心と狂瀾に埋もれるエディンバラ悪徳刑事の物語。原作が『トレインスポッティング』のI・ウェルシュと聞いて予感されるものからそう外れずに混沌を楽しめる。難を言えば主演のジェームズ・マカヴォイが良すぎるため、他要素が印象に残らない。
『トランス』。ダニー・ボイル新作。このタイトルと監督名、どんな映像の高速展開が待つかと思いきや、意外にもプロットでまず魅せる。記憶の抑圧は日常的に誰もが行うだろうけれど、それは個別に主体の物語を紡ぐため。ゆえに他者が介入するとこんなにも劇的に。
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『ブルージャスミン』。ウディ・アレン新作。クール・ビューティーな印象の先立つケイト・ブランシェットが、ここまでやるかというほどアグリーな顔を見せてくれる。この衝撃は『マルコヴィッチの穴』のキャメロン・ディアスに匹敵。日本公開明年5月。
『スノーピアサー』。氷河期に入った地球、を走り続ける弾丸列車、の中で展開する肉弾戦、の階級闘争。そして先頭車両は銀河鉄道999。一番楽しかったのは、ずっと好きだったソン・ガンホ&ティルダ・スウィントンの共演。時代だなぁ。日本公開2月7日。
『キャリー』。名作小説&映画のリメイク版。良くも悪くも破綻のないウェルメイド作品で、終始安心して楽しめた。76年デ・パルマ傑作の印象が強く、期待値が低かったのも効いたか。ただ主演が可愛すぎてイジメられっ子に見えない。でも巧いからOK。
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『Empire State』。NY州
(エンパイアステート)で実際に起きた銀行強盗事件が元ネタ。守衛として現場で働いていた犯人の一人が、映画製作にも加わったことで話題に。しかし本人視点に基づく余りか、娯楽作としては正直微妙。日本公開未定。
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『キャプテン・フィリップス』。トム・ハンクス遭難物は傑作が多い。ゆえそれを期待するも、なかなかどうしてソマリア海賊の生態描写に見入った。漁師が海賊行為を強いられる切なさ。ブラックホークダウン後の現代ソマリアを材にとった作としても出色。
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『ハンガー・ゲーム2』。話は洋版バトルロワイヤルそのもの。しかし『2』はフィールドに出るまでが長すぎて、痛快アクション作とも言い難い何かに。とはいえ見所は生存戦が始まってからなので、前半は若干の忍耐を要するかも。日本公開12月27日。
…
おしまい。
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コメント
10月15日
23:22
1: pherim㌠
※2014年1月3日記。バンコク移住から半年たって、移住当初のカオスが一段落してきたあたりに書いている。『スノーピアサー』や『キャプテン・フィリップス』の予告編サムネイル画像が目に入ってきても、ワクワクよりはどこか和んでしまうのも、本編を観たのが心理的にそういう時期だったからだろう。
《一投稿あたり十作品扱う》というふぃるめもマイルールは未発生。のちに数の帳尻を合わせることになる。二年後も続けてるとは思ってなかったし、バンコク都心に展開するシネコンチェーンの会員カードもまだ作っていなかった。もし最初から作っていれば、とは後の祭り。