pherim㌠

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pherim㌠さんの日記

(Web全体に公開)

2021年
12月06日
23:24

ふぃるめも201 バスターズ&リフターズ

 

 今回は、11月26日~12月3日の日本上映開始作から10作品を扱います。

 タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート[https://twitter.com/pherim]まとめの第201弾です。強烈オススメは緑超絶オススメは青で太字強調しています。(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)


 
■11月26日公開作

『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』
1175$の“複製画”を、ロンドン・ナショナル・ギャラリーでの真作認定後100億$でロシア富豪が購入。さらに競売で400億$へ、現在行方不明の怪奇。
アラブ王子説にルーブル公認巡る面白陰謀劇、別のレオ様ディカプリオも箔付けで2度利用される魔窟アートワールドのリアル。

"Salvator Mundi: la stupéfiante affaire du dernier Vinci" "The Savior for Sale" https://twitter.com/pherim/status/1463703250159370247

『レンブラントは誰の手に』 https://twitter.com/pherim/status/1374566301264269312




『CHAIN チェイン』
新撰組が分離した伊東甲子太郎らを討つ“油小路の変”。
その凄惨を現代京都の路地へ蘇らせる意欲作。
陰間乞食と夜鷹、胡弓奏者(和田光沙)や太夫(土居志央梨)、武士に憧れる菓子屋息子など脇役の存在感際立つ。
『嵐電』他の北白川派製作で、「5万回斬られた男」福本清三の遺作。

"CHAIN" https://twitter.com/pherim/status/1464068297779920896




『ディア・エヴァン・ハンセン』
思春期の自殺と優しい嘘をテーマとする学園&ホームドラマ。
エイミー・アダムズvsジュリアン・ムーアの母親対決が、十代の心の物語に厚みを生む様はさすが。
突然歌い出すよ~のミュージカル展開が驚くほど違和感なく、磨き抜かれたブロードウェイ原作と知り納得。

"Dear Evan Hansen" https://twitter.com/pherim/status/1460591683209367555




『ダーク・アンド・ウィケッド』
テキサスの農家へ、父を看取るため帰省した姉弟が味わう凄絶。
母の不審な挙動に始まる怒涛のホラー描写は、リアル精細化&精神恐怖化の近年潮流を更新する。
農場を撮る画が無闇に迫真的かつクールで、監督実家と知り納得。家族との距離が恐怖へ深層変容する秀逸。

"The Dark And The Wicked" https://twitter.com/pherim/status/1462984035844513795




『ベロゴリア戦記 第1章:異世界の王国と魔法の剣』
ディズニー・ロシア製作という謎面白げな響きがそのまま具現化された、剣と魔法のユーラシアン大冒険。
異世界転生してもスマホへしがみつく青年の、なろう小説もビックリの現代っ子ぶりと底抜けに愉快な仲間達。(そしてスマホ電池は当然切れない)

"Posledniy bogatyr" "The Last Warrior" https://twitter.com/pherim/status/1464424864874254344




■12月3日公開作

『ベロゴリア戦記 第2章:劣等勇者と暗黒の魔術師』

帰ってきたツンドラ大冒険。日本では前作から1週間後の公開だけどロシアでは4年を経た超進化。
妻になったヒロイン始め仲間との七転八起や、主人公の“のび太”っぷりがドラえもん劇場版を超えるレベルで、こうなるんだ土着化ディズニーという堪能。

"Posledniy bogatyr. Koren' Zla" "The Last Warrior: Root of Evil" https://twitter.com/pherim/status/1466376333689180163




『ナチス・バスターズ』“Krasnyy prizrak”
冬のロシア大地、独ソ戦前線で伝説化した狙撃兵“赤い幽霊(Krasnyy prizrak)”巡るボルシチウェスタン。
寒村描写が続き、タランティーノやマカロニウェスタンの奥向こうに黒澤明の呼び声さえ響く画作りが楽しい。赤い幽霊とは誰か、に応える終幕は格別爽快。

"Krasnyy prizrak" "RED GHOST" https://twitter.com/pherim/status/1465318409076232204

  【映画評】神はアウシュヴィッツを赦しうるか 再監獄化する世界(5) http://www.kirishin.com/2021/11/30/51683/




『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』
世界の万引き犯たちよ、団結せよ。どうにかして僕を、愛せるようになってよ。
ザ・スミスの曲をかけろと銃でラジオ局ジャックを試みた18歳少年の実話を基に、万引き娘へ恋心抱くレコード店員の物語へ翻案。メロウな音色が’80sの悩める心を包み込む良篇。

"Shoplifters of the World" https://twitter.com/pherim/status/1466253158070435842




『スティール・レイン』
竹島(独島)&尖閣問題を下地とする潜水艦映画。しかも主人公の韓国大統領が金正恩やトランプとともに、艦長室へ幽閉されるヤバいやつ。
北朝鮮でクーデター、空自哨戒機とのガチ戦闘等々、韓国娯楽映画ここまでやるかと圧巻。ワシントンや青瓦台周辺の人間模様も滅茶面白い。

"강철비2: 정상회담" "Steel Rain 2:Summit" https://twitter.com/pherim/status/1465158684128858112




『パーフェクト・ケア』
富裕で健康な独居高齢者をターゲットに、医師を抱き込み介護施設へ幽閉して高額な後見人料を搾り取る悪辣弁護士。
ロザムンド・パイク、常識とモラル嗤う『ゴーン・ガール』を超えた怪演。ロシアン・マフィアのボス演じるピーター・ディンクレイジとの丁々発止の対決が熱い。

"I Care a Lot" https://twitter.com/pherim/status/1466048601579089921


 


 余談。11/27公開作『水俣曼荼羅』、12/3公開『悪なき殺人』『グロリア 永遠の青春』『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』については、次回ふぃるめも(202)にて扱う予定です。





おしまい。
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