今回は、5月27日の日本上映開始作を中心に10作品を扱います。(含再掲1作)
タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート
[https://twitter.com/pherim]まとめの第223弾です。
強烈オススメは緑、
超絶オススメは青で太字強調しています。
(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)
■5月27日公開作
『ウォーハント 魔界戦線』
ミッキー・ローク&ロバート・ネッパー(Prison BreakのT-Bag!)新作は、森奥で魔女に阻まれつつナチスのお宝探し。
隻眼ミッキーx生え抜きT-Bag軍曹の冒頭対峙から、徐々にプレデター味増す対魔女戦闘まで一気。どんな怪異も俗に落とし理解する軍曹笑う。地底物展開も垂涎。
"WarHunt" https://twitter.com/pherim/status/1519682032011337729
地底探検物スレッド https://twitter.com/pherim/status/1345307274433032193
『帰らない日曜日』
孤児のメイドと、名家の子息との最後の逢瀬。
それは年に一度許される里帰りの日であり、のち作家となる生涯を決定づける一日だった。
G.スウィフトの原作を、『バハールの涙』のエヴァ・ユッソンが緻密な映像へ編みあげる。無人の豪邸を全裸で彷徨いV.ウルフと出逢う描写の豊潤。
"Mothering Sunday" https://twitter.com/pherim/status/1529308483736457217
『バハールの涙』 https://twitter.com/pherim/status/1084289785571639296
キャスティングを中心に追記するかもー。
『狼たちの墓標』
義理と秩序の古風を継ぐ組頭(#ユ・オソン)と、
冷酷な計算で頭角表す新世代マフィアのボス(#チャン・ヒョク)。
2018平昌五輪前の開発熱に浮く韓国北東部の港町カンヌン(강릉江陵)を原題とする本作、韓流映画には珍しい江原道の気風/情景醸す哀愁描写と肉弾アクションの対照際立つ。
"강릉" "Tomb of the River" https://twitter.com/pherim/status/1528272006143430656
いぶし銀の脇役キム・テハン김태한めぐり追記するかもー。
1969年生まれ、キム・ジュンベから2015年に改名したのだけど、同名の若手表れなんか大変そう。
『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』
晩年まで驚くほど敏捷&快活なその足取りと、
素の生活感情の露出に感心するし和み極まる。
51歳で出家して半世紀、なお“人間が1番成長するのは恋愛”と語る情熱の健在ぶり。17年の取材を経て、最大の相互理解者と記された中村裕監督との絆が生む映像の深味と近しさ。
"" https://twitter.com/pherim/status/1528716749474250753
『息子の面影』 Mexico
仕事を求め遠き地に消えた息子を探す、母の旅路。
その一方、米国強制退去となった青年は故郷を目指す。
美しくも残酷な漆黒ロードムービーの、迫真描写の連打に言葉失う。黒澤明描いた戦国級の生き地獄を同時代にみる’81年生まれ女性監督初長編、お見事。
"Sin Señas Particulares/Identifying Features" https://twitter.com/pherim/status/1527639404080406531
『エコー・イン・ザ・キャニオン』
バーズ、クラプトン、リンゴスターら超豪華出演。
前ツイLaurel Canyonとの違いは、ザ・ウォールフラワーズのジェイコブ・ディラン(ボブ息子)が、取材した大物達の曲をベックらと逐次トリビュートライヴ演奏する点で、LA黄金期資産の次世代への継承を印象づける。
"Echo In the Canyon" https://twitter.com/pherim/status/1529774363800928258
『ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック』
https://twitter.com/pherim/status/1522052249861914625
『20歳のソウル』
市船応援曲を残し夭折した浅野大義描く、ブラスバンド青春物+薄命物+表現者覚醒物の感動全部乗せ物語。
主人公(神尾楓珠)ら生徒たちの説明台詞が悪目立ちする一方、教師役・佐藤浩市と母役・尾野真千子が、学校と家の両主舞台をきっちり締める画はさすが。生徒側ではヒロイン役・福本莉子の演技が飛び抜けて鮮烈。
"" https://twitter.com/pherim/status/1520622797273575424
『義足のボクサー GENSAN PUNCH』 (5/27沖縄先行公開、6/3東京、6/10~全国)
義足ゆえ日本ではプロ免許を望めない沖縄のボクサーが、フィリピンでプロを志す日々描く、汗と熱気みなぎる男の裸を撮ったら世界一のブリランテ・メンドーサ監督作。
主演尚玄、自ら起案し監督を説得した気骨宿す背中で魅せる、軽快フットワークは汎アジア的。
"Gensan Punch" https://twitter.com/pherim/status/1528592209338986496
拙稿「ジェンサンの風 『義足のボクサー GENSAN PUNCH』主演・尚玄インタビュー」
http://www.kirishin.com/2022/05/26/54440/
■『義足のボクサー GENSAN PUNCH』関連過去作(VOD配信作)
『ハブと拳骨』’06
米軍占領下の沖縄で、
闇取引に泥棒に七転八倒する青年とその家族。
宮崎あおいの瑞々しさ至宝。戦争孤児含む家族描写は『万引き家族』に十年先駆けた感。長編初主演の尚玄、三線を奏で遠くを眺める横顔と“ヤマトへ行こう”の台詞がCOME & GO を予感させる。
"" https://twitter.com/pherim/status/1518074980747005958
『COME & GO カム・アンド・ゴー』 https://twitter.com/pherim/status/1455525807342772225
■VOD配信/TV放映作
『Mr.ノーバディ』“Nobody”
妻子や近所から“つまらない男”と思われてる中年親父の深層爆発。
身近のものを何でも利用する、おっさん格闘アクションがやたらに面白い。
夜の私すごいんです系クライムノワールの点で近しい“Pieces of Her”同様、原題の素っ気なさが渋味へ通じる。BTTF博士翁も大活躍。
"Nobody"
『彼女のかけら』“Pieces of Her” https://twitter.com/pherim/status/1527285646326636544
余談。諸々支障がでるリスクを踏まえても告発に踏み切った勇気ある人が、自分の批判に同意しないor自分と同じように批判しない人たちを糾弾しだす姿には、正直時代性しか感じません。個として立つことの誇りを感じない。SNSの虜かつ、ミイラとりがってやつ。
ちょっとがっかりしてしまう。ちょっとね。
おしまい。
#ふぃるめも記事一覧: https://goo.gl/NXz9zh