今回は、10月8日~14日の日本上映開始作を中心に、10作品を扱います。(含ドラマ1シーズン全8話/再掲1作)
タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート
[https://twitter.com/pherim]まとめの第242弾です。
強烈オススメは緑、
超絶オススメは青で太字強調しています。
(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)
■10月8日公開作
『背 吉増剛造×空間現代』
かつて津波を分けた石巻の霊島・金華山を望む窓へ殴り描かれる詩的宇宙。
からの“生きた伝説”詩人・吉増翁と、オルタナロックバンド・空間現代のライブログ。声と演奏の絡みやガラスと布のこすれなど、七里圭監督作だけあって音感覚が良い。初ドキュメンタリーとは意外。
"" https://twitter.com/pherim/status/1582202669489614848
七里圭監督作:
『サロメの娘 アナザサイド(in progress)』 https://twitter.com/pherim/status/789067759808241664
『映画としての音楽』“Music as film” https://twitter.com/pherim/status/789067950565134336
吉増剛造ゲスト 吉田アミ、か、大谷能生『どちらがさきに口火をきったのか、もうわからない。vol.6』ライヴパフォーマンス鑑賞(at 三鷹SCOOL)スレッド
https://twitter.com/pherim/status/961024087706316801
『アメリカから来た少女』
母の病により米国から帰台した家族の心模様を、異文化生活に馴染めない13歳長女の視点から描く。
カリーナ・ラムが思春期少女の母役を務める、男人四十からの光陰矢。
1990年生まれ阮鳳儀/ロアン・フォンイーの自伝的長編デビュー作。団地暮らしの淡々描写佳き。
"美國女孩" "American Girl" https://twitter.com/pherim/status/1581639095004311552
※邦題『アメリカン・ガール』にて第34回東京国際映画祭(2021)アジアの未来部門上映。
『アメリカから来た少女』製作トム・リン/林書宇が監督&主演カリーナ・ラム/林嘉欣デビュー作の
『男人四十』https://twitter.com/pherim/status/1476175624662564866
トム・リン/林書宇監督&カリーナ・ラム/林嘉欣主演作
『百日告別』連ツイ https://twitter.com/pherim/status/832760993088278528
拙稿トム・リン/林書宇インタビュー http://www.kirishin.com/2017/03/11/8575/
『裸のムラ』
8選狙う谷本石川県知事の帝国を、足元から崩す馳浩と奥向こうに鎮座する森喜朗。
定住所のないノマド生活を続け、夫婦40代を迎えた家族模様。
“空気”から疎外されるムスリム一家。焦点欠如気味ながら、スカーフ被る理由を尋ねる撮り手の感性に、涙目浮かべて抗う十代娘の気概が良い。
"" https://twitter.com/pherim/status/1582353056959967232
『マイスモールランド』https://twitter.com/pherim/status/1520996048453632000
『東京クルド』https://twitter.com/pherim/status/1413486560318660608
■10月14日公開作
『スペンサー ダイアナの決意』
クリステン・スチュワートのなりきり演技が凄まじい。
目線の震えや、怪訝そうな顎の傾きがダイアナ妃すぎて戦慄級。
ひとりの女/母の心の揺らぎを主題化したパブロ・ラライン監督新作は、ナオミ・ワッツ主演作始め死を起点としがちな過去作群との対照も鮮やか。
"Spencer" https://twitter.com/pherim/status/1580758521507115009
クリステン・スチュワートvsナオミ・ワッツの演技対決は珠玉。
驚異的なそっくり演技を研ぎ澄ませたナオミ・ワッツに対し、クリステン・スチュワートは“迷い”や“決断”などダイアナ妃個人の感情を瞳や表情を通して表現し切る。この意味で『スペンサー ダイアナの決意』は『ダイアナ』の正統的更新作。
パブロ・ラライン監督過去作
『エマ、愛の罠』https://twitter.com/pherim/status/1308974656871960576
『NO』https://twitter.com/pherim/status/514430856148971522
『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』https://twitter.com/pherim/status/927103966839586816
ダイアナ妃事故死報道雑感:https://twitter.com/pherim/status/322536219940634624
※事故死報道起点に連ツイ予定。
『百合の雨音』
会社内で狭く錯綜する同性愛/異性愛不倫&夫婦関係。
主演/小宮一葉&花澄の体当たり演技は見応えあり。
説明台詞&ベタ演出があまりに過剰なため、出版社という舞台選択含めメタな昭和ギャグとしてかなり笑える。ガチっぽさも込みで可笑しいけど、脇役陣の台詞棒読みは高度すぎる。
"" https://twitter.com/pherim/status/1581252771017527297
《日活ロマンポルノ50周年記念プロジェクト:ROMAN PORNO NOW》
松居大悟『手』https://twitter.com/pherim/status/1569655523016056835
白石晃士『愛してる!』https://twitter.com/pherim/status/1579727098302042112
『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
カイシャ版“All You Need is Kill”。日本へ里帰りすると、殺人なしCGなしで魅せる工夫に特化するの楽しい。
円井わんの終始ダルげな表情が空虚な中心となり、空回り系上司演じるマキタスポーツらの放つエネルギーを無限吸引する笑夢。
"MONDAYS" https://twitter.com/pherim/status/1581838290562740225
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』https://twitter.com/pherim/status/484917849668861953
『ハッピー・デス・デイ 2U』https://twitter.com/pherim/status/1147685201033613312
『キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱』
ロザムンド・パイク主演だけあり、性差別描写へ拘りがちな偉人女性映画の典型を貫き、人格過剰が突破力を生む鋭き一作。
アニャ・テイラー=ジョイが、のちノーベル化学賞を獲る長女を演じ強烈ブーストする本作の原題は “Radioactive”(放射性)。尖ってる。
"Radioactive" https://twitter.com/pherim/status/1583026627591962625
『プライベート・ウォー』https://twitter.com/pherim/status/1173797556259676163
アニヤ・テイラー=ジョイ連ツイ https://twitter.com/pherim/status/886105903593697280
※イーサン・ホーク主演『テスラ エジソンが恐れた天才』に紐づけ追記予定。
『テスラ エジソンが恐れた天才』https://twitter.com/pherim/status/1375054562751508481
『木樵』
飛騨弁に心緩む林業ドキュメンタリー。
木樵の父の背をみて育ち、不況で継げず映像業界入りした監督が、里帰りした30年後の杣人模様。
猪狩りや神事など周辺描写も興味深く、伐採の快感や達成感を溌溂と語る若手と、樹齢七十の大木を伐るベテランのためらう面持ちとの対照は印象的。
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『阿賀に生きる』https://twitter.com/pherim/status/766107242659581952
ニコラス・ケイジ木樵棟梁役『Joe』https://twitter.com/pherim/status/502319579540897792
『もっと超越した所へ。』
前田敦子/伊藤万理華/黒川芽以/趣里が各々魅せる、根本宗子脚本 山岸聖太監督作。
クズ男沼にハマる4女性の物語進行が今風すぎてどうかな、と思わされる後半からの超越展開に笑う。前田敦子安定、伊藤 オカモトレイジのバカップル絶品。四畳半神話大系の楽しさもあったな。
"" https://twitter.com/pherim/status/1580404605380595713
『旅のおわり世界のはじまり』https://twitter.com/pherim/status/1138629488630124544
『コンビニエンス・ストーリー』https://twitter.com/pherim/status/1553234652902850560
■VOD配信作
『模範家族』
賄賂出世に失敗し行き詰まった大学講師が、ヤバい金を手にし巨悪へ巻き込まれるNetflix韓流ノワール秀作。
主人公以外の全ての主要人物が人生に絶望していて超良い。
妻も娘も女刑事もマフィア若頭も黒幕も糞人生に早く決着つけたくて、主人公だけが淡い希望ひきずり彷徨う闇宇宙。
"모범가족" "A Model Family" https://twitter.com/pherim/status/1560840489297133568
余談。本日夕刻、ただ映画を観る機械になり果てる14日間に突入しました。突発事故でもないかぎり、今年は劇場だけで40本超観る予定。オンライン込みだと60超えるかも。いわゆるひとつのバカですね。心身空しうして事にあたる所存です。
おしまい。
#ふぃるめも記事一覧: https://goo.gl/NXz9zh
コメント
10月25日
21:20
1: いなだ つつみ
ダイアナ妃とキュリー夫人のやつは見たいと思いました