pherim㌠

<< 2022年11月 >>

12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930

pherim㌠さんの日記

(Web全体に公開)

2022年
11月05日
23:59

ふぃるめも243 ノベンバーを越える旅

 
 

 今回は、10月15日~10月29日の日本上映開始作を中心に、10作品を扱います。(含再掲2作/アニメ1season)

 タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート[https://twitter.com/pherim]まとめの第243弾です。強烈オススメは緑超絶オススメは青で太字強調しています。(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)



■10月15日公開作

『国道20号線 デジタルリマスター版』

そこには道が横たわる。
スロット、シンナー、ラブホ、街金。どこへも行けないどん詰まりで夢想されるタイとブラジル。
銀幕を縦に貫く道は『サウダーヂ』の予兆を響かせ、やがて『バンコクナイツ』への滑走路と化す。鬱屈の果てに蠢く昏い熱量。

"" https://twitter.com/pherim/status/1584114086153162752

 国道20号線toバンコク https://twitter.com/pherim/status/843258069937139712
 to『バビロン三部作』『チェンライの娘』https://twitter.com/pherim/status/843215220482875392
 『サウダーヂ』https://twitter.com/pherim/status/846004803981361153





■10月21日公開作

『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』

’90sブリット・ポップ牽引者にして、オアシス他を見いだしたアラン・マッギー一代記。
ダニー・ボイル製作で、トレインスポッティング等での憎めないカラ元気男ユエン・ブレムナーの快演が笑えて、やがて切なき終幕沁み入る。

"Creation Stories" https://twitter.com/pherim/status/1588010741688586240




『夜を越える旅』
超絶へんてこ奇怪譚。
ヒモ生活寸前の鬱屈と旧友達のリア充感に挟まれて、叶わなかった恋心が炸裂する青春モード絶頂、からの異様すぎる転調にめっちゃときめく。
想い残す過去への決着と苦境脱出のブレイクスルーが重なる巧さから、廃墟愛好家のハート貫く終盤までお好みてんこ盛り。

"" https://twitter.com/pherim/status/1444989332155105284




『アフター・ヤン』
家族の一人となったロボットの故障に始まる心の旅。
コゴナダ前作『コロンバス』の澄明時空を、A24の製作力が極限まで昇華する。
アジア人の自意識をアンドロイドに語らせる冒険を軽々と成し遂げ、内面宇宙、東洋精神、未来的死生観を静謐な物語の内へ封じる手つきに息を呑む。

"" https://twitter.com/pherim/status/1588776681707536384

 『コロンバス』&登場建築スレッド https://twitter.com/pherim/status/1237570383189966848

※舞台となった住宅建築メインで追記予定。




『ぼくらのよあけ』
夏、阿佐ヶ谷、近未来。
団地舞台のジュブナイルSFなんだけど、うん秋公開は製作遅れたからねってくらい夏。夏休みの大冒険で大切なものを見つける日本アニメ伝統の夏。
佐藤大脚本で、“宇宙小戦争”や“サイダーのように”同様レトロ風景へ最新ギミックを盛り込む手際絶妙。

"" https://twitter.com/pherim/status/1583712881056821248

 『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』https://twitter.com/pherim/status/1502487576904540160
 『サイダーのように言葉が湧き上がる』の場面画像と、戦前戦間期の版画家・川瀬巴水(1883-1957)。 https://twitter.com/pherim/status/1422345509390360601

 団地発宇宙行き(パリ郊外版)
  『GAGARINE/ガガーリン』https://twitter.com/pherim/status/1495597726033416193
  拙稿「瓦礫のうえで」http://www.kirishin.com/2022/02/25/52929/





■10月28日公開作

『ソングス・フォー・ドレラ』 4Kレストア版

ルー・リード&ジョン・ケイルによる
アンディ・ウォーホル追悼LIVE。
“君が笑われていたとき、もっと優しくすればよかった”
2人が演奏し歌い続ける55分の内に、1990年の時代精神が質実洒脱に再現され圧巻。無観客&ネガ喪失で伝説化→’21年オリジナル16mm発見、4K復元へ。真正の珠玉作。

"Songs for Drella" https://twitter.com/pherim/status/1585424411720830977

『ソングス・フォー・ドレラ』、事前情報を避けて観始め、演奏者2人以外は一切無音かつほぼ無地背景の構成にシビれる。監督が『キャロル』の撮影監督エドワード・ラックマン/Ed Lachmanと知る。珠玉の音楽映画でした。
Good night Andy, Good bye Andy.

  拙note「彼女の瞳の内なる怯え」(『キャロル』と’50NYの写真家たち):
  https://twitter.com/pherim/status/700687824245227520





■10月29日公開作

『ノベンバー』

凍てつく風が森を貫く。枝を回転させ走り飛ぶ牛の頭骨が、先祖の憑依態であるらしいのに子孫から使役されている殺伐宇宙。
神話民話魔術宗教ごった煮の、アレクセイ・ゲルマンより西、C・T・ドライヤーより東へ広がる北東欧耽美荒野を少女はゆく。意味以前を生きる存在の美と戦慄。

"November" https://twitter.com/pherim/status/1586878017850466304

 カール・T・ドライヤー連ツイ https://twitter.com/pherim/status/1480862178500812806
 タル・ベーラ連ツイ https://twitter.com/pherim/status/1174162136920023042
 『異端の鳥』スレッド https://twitter.com/pherim/status/1312611511567704064
 アレクセイ・ゲルマン https://twitter.com/pherim/status/589375565410406400

 
※十字架表象ほか追記予定。 
 

 
 
■日本公開中作品

『LOVE LIFE』

深田晃司新作堪能。
若々しい家庭に起こる不意の事故から具現化しゆく、日常という不穏たち。
逼塞を離れ束の間浮遊するような韓国パートも深甚。木村文乃の疲弊した瞳の内に強さを煌めかせる存在感は、筒井真理子ばりに深田作品世界を押し広げてたので、今後もぜひ出演してほしい。

""




『NOPE/ノープ』
雲との戯れ、視線の膂力。
洒落た不気味さはキャンディマンの延長線上で、ゲット・アウト/アスのジョーダン・ピールが大資本を得るとこんな奇抜表現に行き着くのかと今後も期待できる仕上がり。
全編飛行体との交接で縦の動きが多いため、IMAXレーザーの縦長銀幕で観れたのは大変良かった。

"Nope"

 『キャンディマン』https://twitter.com/pherim/status/1448448877829361665
 『アンテベラム』https://twitter.com/pherim/status/1454057540619173895





■VOD配信/TV放映作(非劇場公開作)

『サイバーパンク: エッジランナーズ』
1-6話
人体改造が一般化した未来都市で、母を失った少年がアウトローの傭兵団EdgeRunnersへ加わる。
Cyberpunk 2077と同一世界観上を進む物語は、BLACK LAGOONの騒擾と攻殻機動隊の陰翳を両有、Netflix製ゆえか外連に欠け両作へ現状及ばずも堂々の期待値超え。

"Cyberpunk: Edgerunners" https://twitter.com/pherim/status/1570019439525138432
 
『サイバーパンク: エッジランナーズ』その後1Season完結まで鑑賞。継続してほしいですね。

 



 余談。映画祭にかまけて公開中/公開近日作品の更新が遅れた結果、青字表記作の連打となりました。つまり観たけど書くに至ってない作品が他にも多いということになるのだけど、記憶って都合よくできてますよね。それらは思い出せさえしないのです。(だから映画ツイを始めた、というのが当初の動機でしたけど。)





おしまい。
#ふぃるめも記事一覧: https://goo.gl/NXz9zh
: