今回は、12月23日~1月7日の日本上映開始作と《ピエール・エテックス レトロスペクティブ》(12/24~)上映作から11作品を扱います。(含短篇1作/再掲1作)
タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート
[https://twitter.com/pherim]まとめの第251弾です。
強烈オススメは緑、
超絶オススメは青で太字強調しています。
(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)
■12月23日公開作
(12月23日公開作『フラッグ・デイ 父を想う日』はふぃるめも250にて扱いました)
『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』
壮絶なるホイットニーの足跡を、代表曲の変遷に沿って『ボヘミアン・ラプソディ』脚本家が描く伝記作。
スタンリー・トゥッチ始め脇役陣も見応えあり、誰もが知る名曲群個別の挿話がひときわ興味深い。ボディガード出演決心の場面笑う。
"Whitney Houston: I Wanna Dance with Somebody" https://twitter.com/pherim/status/1608652021607059456
『ホイットニー オールウェイズ・ラヴ・ユー』https://twitter.com/pherim/status/1077922714034159616
『ボヘミアン・ラプソディ』https://twitter.com/pherim/status/1074860781747920896
■12月24日~《ピエール・エテックス レトロスペクティブ》
http://www.zaziefilms.com/etaix/
『ヨーヨー』“Yoyo”1965
この映画という幸福。
生活に倦む富豪が、踊り子と恋に落ちる。大恐慌で家も財産も失った男は全てを得る。そして大戦。息子の人生が船出する。
サイレントからトーキーへ。独裁者、アタラント号、道。ピエール・エテックスが手法と物語の奇跡的調和を奏でる静かな傑作。
"Yoyo" https://twitter.com/pherim/status/1605044700531937281
『ヨーヨー』は大恐慌までをサイレントで、続く戦前&戦後の3時代を異なる画角で、また各期が異なるフレームレートで撮られている。
かつ息子が父の喪失物を奪還しゆく物語が、それら形式の変遷を遡行する構成は神懸かり的で、名作オマージュ愛も半端ない。権利問題で長年上映不能だった真の珠玉作。
『幸福な結婚記念日』“Heureux Anniversaire”1962
結婚記念日コメディ。プレゼントやワインを買い込むも続々起こるトラブルで帰れない夫と、用意したディナーを飲み食いしだす妻。全ての歯車が少しずつズレゆく世界の愛おしさ。
アカデミー最優秀短編賞獲得の、日本初公開となるピエール・エテックス初期短編。
"Heureux Anniversaire" https://twitter.com/pherim/status/1606992075752607746
『大恋愛』“Le Grand Amour”1969
40代の既婚男が若い女に恋してまう喜劇。
幼馴染や同級生など歴代の恋人全員との結婚を妄想(↙3枚目)する親父さえお洒落に魅せる、エテックス・マジック冴え渡る。どの瞬間も画の完成度が凄まじく、人生の苦さままならなさをきちんと感じさせつつ笑わせる充実作。
"Le Grand Amour"
ピエール・エテックスが『大恋愛』の構想を練りだしたのは1965年頃で、67年にはカリエールと脚本を書き上げるもパリ5月革命の勃発で撮影延期となったという挿話が、主題的にも面白い。
ベッド爆走シーンに、ビノシュ“5月の花嫁学校”の歌舞場面が想起され。この連想は楽しい。
『5月の花嫁学校』https://twitter.com/pherim/status/1397030754169724930
『女性上位時代』https://twitter.com/pherim/status/1401905454427430912
■12月30日公開作
『離ればなれになっても』イタリア
幼馴染の少年3人と少女ひとりの、16歳の夏から40年に渡る心の旅路。
ジュブナイル映画の瑞々しさを保ちながら突入する中年編の、名優陣の競演は見応えあり。
恋多き女へ育つ過程で少年らを魅了し翻弄する少女の痛切と、各々に想いを抱え歳経る男たちのやるせなさ。
"Gli anni più belli" "The Best Years" https://twitter.com/pherim/status/1608435907409104897
1984年の少年4人+少女『サマー・オブ・84』
https://twitter.com/pherim/status/1155672647293734913
1985年の少年2人+少女 “Summer of 85”
https://twitter.com/pherim/status/1424930106271690755
■1月6日公開作
『ファミリア』
陶芸家(役所広司)の元へ、アルジェリア難民の嫁を連れて息子(#吉沢亮)が帰郷する。
ブラジル移民街化で知られる豊田市の保見団地を近所とし、息子が日揮の人質事件へ巻き込まれる点を切り口に、日本の移民問題と国際情勢を結びつける秀逸脚本。
調べると“ハブと拳骨”のいながききよたかで納得。
"" https://twitter.com/pherim/status/1609404574032596993
『ハブと拳骨』https://twitter.com/pherim/status/1518074980747005958
『海辺の彼女たち』https://twitter.com/pherim/status/1386895322585001992
『サウダーヂ』https://twitter.com/pherim/status/846004803981361153
『R.M.N.』https://twitter.com/pherim/status/1603341809203417088
題材も役者も良いが、説明ゼリフ過剰や立ちんぼ演技など、ダメな日本商業映画の典型を凝縮したような演出が全編において残念。
中年の妄想臭い場面も多い中、役所広司と吉沢亮のゴースト再現シーン笑う。
『ドリーム・ホース』
ウェールズの田舎に暮らす主婦が、競走馬を育てようと思いたつ。
パートと介護の日々に倦む中年の屈託と解放を、トニ・コレットが熱演。
村で組合を作り富裕層馬主へ対抗する実話ベース。見せ場続きの逆転物語は、フル・モンティに始まる英国映画十八番という感でほんと巧い。
"Dream Horse" https://twitter.com/pherim/status/1609782291655692291
『クイーンズ・オブ・フィールド』https://twitter.com/pherim/status/1373283173610647556
『シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~』https://twitter.com/pherim/status/1526041428799143937
『ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ』https://twitter.com/pherim/status/1484734593400176640
トニ・コレット顔芸めぐり追記予定
トニ・コレット主演作
『ヘレディタリー/継承』https://twitter.com/pherim/status/1078192681652674560
『彼女のかけら』“Pieces of Her”https://twitter.com/pherim/status/1527285646326636544
『非常宣言』
ソン・ガンホ&イ・ビョンホン圧巻のバイオテロ航空パニック。
ハリウッド類似作を完全凌駕する仕掛けの奔流に加え、行き交う人の情と非情の丹念な描写に唸る。
感染の進む機体を各国が拒絶するダイヤモンドプリンセス展開、からの“Maverick”級アクション突入には驚かされた。
"비상선언" "EMERGENCY DECLARATION" https://twitter.com/pherim/status/1608807985710796806
『トップガン マーヴェリック』https://twitter.com/pherim/status/1574600371343101952
『白頭山大噴火』https://twitter.com/pherim/status/1427827210497396739
『タクシー運転手 約束は海を越えて』https://twitter.com/pherim/status/965029881430994944
■1月7日公開作
『ippo』
柄本佑監督x加藤一浩脚本のオムニバス3篇。
三宅唱が助監督、柄本時生が主演したりと、仲間内でしっぽり作った風味が良い。四宮秀俊撮影/黄永昌音響など緩い同世代感。
渋川清彦&時生が団地広場で演じるくたびれた兄弟の間合いはさすが。ほか加瀬亮&宇野祥平、高良健吾&加藤一浩の好取組。
"" https://twitter.com/pherim/status/1610183519048970240
『きみの鳥はうたえる』https://twitter.com/pherim/status/1034633021956087808
■VOD配信作(国内過去公開作)
『おやすみ オポチュニティ』Amazon Prime
探査機のドキュメンタリーで泣くとはね。
90日の活動予定で火星へ着地したOpportunityとSpirit。
6年の生存を経て、僚機は火星の反対側で活動停止。NASA職員娘やガーナ出身の元ラジオ少年など地球側スタッフ達が世代交代する中、15年も走り続けたヒーローの熱い軌跡。
"Good Night Oppy" https://twitter.com/pherim/status/1610249445953908739
『オデッセイ』https://twitter.com/pherim/status/1609892864682778624
『レッド プラネット』https://twitter.com/pherim/status/1609892882063953920
『オデッセイ』“The Martian”
リドリー・スコット’15年作。
火星で孤立した植物学者が絶体絶命下、知性と気合で4年に及ぶ生存を試みる。
圧倒的孤絶のもと己を駆り立てるもの。賭けと決断、失意と再起が際限なく連なる時空。Matt Damonのギーク演技好き。在タイ時体験した数少ないほぼ満席鑑賞。
"The Martian" https://twitter.com/pherim/status/1609892864682778624
『オデッセイ』、マット・デイモン&ジェシカ・チャステイン共演の予告編からは、きっと誰しもが『インターステラー』前日譚のような印象をもつはずよね。作品間の連絡に物語を感じさせるようなフィルモグラフィーを、特にマット・デイモンは今回に限らずよくたどる。意図的かどうかは知らないけど。(日本公開前の2015ツイ)
『インターステラー』 IMAXレーザーGT https://twitter.com/pherim/status/1309486761232326659
あけましておめでとうござます。
ことしもよろしくおねがます。
おしまい。
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