今回は、5月30日~31日の日本公開作など10作品を扱います。
タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート
[https://twitter.com/pherim]まとめの第363弾です。
強烈オススメは緑、
超絶オススメは青で太字強調しています。
(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)
■5月30日公開作
『犬の裁判』Le procès du chien
負け続きの弁護士アヴリルが、あるワンコの弁護を引き受け大奮起。
主演/監督レティシア・ドッシュは舞台で馬と共演もしたマジガチの動物論者で、ありがちなお涙頂戴に留まらない実話ベースの問題提起作。“シンプルな情熱”や“ACIDE”主演の意味も深まり映る。
"Le procès du chien/Dog on Trial" https://x.com/pherim/status/1927350629531275769
『ACIDE/アシッド』https://x.com/pherim/status/1826084665997820040
『シンプルな情熱』Passion simple https://x.com/pherim/status/1410903941026439169
『パフィンの小さな島』Puffin Rock and the New Friends
海鳥パフィンの大冒険。
主人公のある“やらかし”に始まる友情テーマの物語が、卓越したカートゥーン・サルーンの描画に乗りぐいぐい進む。
ブレンダンとケルズの秘密ほかの神秘的奥行きから博物的精彩さへ寄り、幼児の心をぐっと鷲掴みそう。
"Puffin Rock and the New Friends" https://x.com/pherim/status/1927925609847533914
『ウルフウォーカー』https://x.com/pherim/status/1317664520156839936
『Song of the Sea』https://x.com/pherim/status/607837329625989120
『黒い瞳 4K修復ロングバージョン』 マストロヤンニ生誕100年
地中海に揺蕩う客船で語られる男の半生、燃え上がる恋とその烈しい末路。
マルチェロ・マストロヤンニと、ニキータ・ミハルコフ(光と影のバラード/T-34 レジェンド・オブ・ウォー製作)が組むシンプルな構成と豪奢な仕立ての趣深さ。
"Oci ciornie" https://x.com/pherim/status/1929523995088732523
『光と影のバラード』https://x.com/pherim/status/1138383219655495682
『ひまわり』1970 50周年HDレストア版 https://x.com/pherim/status/1514433140890120196
『異邦人』1967 デジタル復元版 https://x.com/pherim/status/1851614250902663479
『8 ½』1963 https://x.com/pherim/status/1875746364422025340
『劇場版 それでも俺は、妻としたい』
冴えない脚本家が、愛想つかされた妻にセックスを拒まれ続ける日々。
ダメ夫だけど“いい人”なありがち像でなくかなりのクズとして描かれ、風間俊介&MEGUMIの夫婦演技も嵌まり徐々に引き込まれ、やがて切なき足立紳監督作。不登校息子役の嶋田鉄太が何気に凄い。
"" https://x.com/pherim/status/1926831210606547180
『ナイン・マンス』 1976 https://x.com/pherim/status/1661225714002317312
『零落』https://x.com/pherim/status/1634826516159934464
『秋が来るとき』Quand vient l'automne
質実のフランソワ・オゾン監督新作。
ブルゴーニュで穏やかに暮らす80歳の女性が、臨終間際の親友から実娘の死の真相を聞かされる。
都会的で母を疎む実娘と、粗暴だが情に厚い親友の息子との対照も鮮やかな、マグダラのマリアを巡る冒頭の説教が全編へ響く、贖罪と赦しの物語。
"Quand vient l'automne/When Fall Is Coming" https://x.com/pherim/status/1916695711606808983
フランソワ・オゾン監督へ『秋が来るとき』を巡りインタビューしました。
→拙稿「自然のうちで祈ること」https://www.kirishin.com/2025/05/30/78426/
フランソワ・オゾン『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』をめぐり書きました。
http://www.kirishin.com/2020/07/15/44134/
フランソワ・オゾン過去作:
『ホームドラマ』SITCOM 1998 https://x.com/pherim/status/1918148290887204925
『8人の女たち』8 femmes 2002 https://x.com/pherim/status/1919605009265922465
『ふたりの5つの分かれ路』2004 https://x.com/pherim/status/1926204719212454265
『エンジェル』2007 https://x.com/pherim/status/1930456141974401284
『しあわせの雨傘』2010
『17歳』 2013
『彼は秘密の女ともだち』 2014
『婚約者の友人』2016 https://x.com/pherim/status/1720768137006882914
『2重螺旋の恋人』2017 https://x.com/pherim/status/1023395969147133952
『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』2018 https://x.com/pherim/status/1283016948138164225
“Summer of 85”2020 https://x.com/pherim/status/1424930106271690755
『すべてうまくいきますように』2021 https://x.com/pherim/status/1621735620602384384
『苦い涙』“Peter von Kant”2022 https://x.com/pherim/status/1664076736550809600
『私がやりました』“Mon crime”2023 https://x.com/pherim/status/1720768152051867659
『ダーティ・マネー』
仲良し刑事タッグが、中国マフィアの資金ネコババを企むも失敗、追い詰められゆく。
基本全員悪者なのがいい。偽りの隣人/野獣の血ほかのチョン・ウが主演を張るだけあり、ドラマ展開で魅せるキム・ミンス初監督作。名もなき野良犬の輪舞&キングメーカーの脚本家と知り納得。
"더러운 돈에 손대지 마라/Dirty Money" https://x.com/pherim/status/1927194488616701984
『偽りの隣人 ある諜報員の告白』https://x.com/pherim/status/1431595587393122306
『野獣の血』https://x.com/pherim/status/1612436468315873280
『マリリン・モンロー 私の愛しかた』
単なる内幕ドキュメンタリーの域を超え、薬物過剰摂取による自殺説を否定する姿勢を明確に打ち出す意欲作。
バグジーとの接点に始まるマフィアとの関係性から、ケネディ兄弟との私信内容まで、後半の深堀り展開は異色。関係者の証言群が文化史的にも興味深い。
"Dream Girl: The Making of Marilyn Monroe" https://x.com/pherim/status/1917914787910127649
『ホイットニー オールウェイズ・ラヴ・ユー』https://x.com/pherim/status/1077922714034159616
『JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】』https://x.com/pherim/status/1724719167331516542
『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』https://x.com/pherim/status/847651120251977732
■5月31日公開作
『デリカド』Delikado
フィリピン・パラワン島で進行する違法伐採。
ドゥテルテ大統領まで味方する金権勢力に対し、密林へ分け入る私人逮捕という仕方で抗うNGOの男たち。
ボルネオ北隣の現在を知るレア機会でもあり、家族の安全が脅かされ、仲間が命を落とすなか揺らぐ正義と信仰の姿は熱い。
"Delikado" https://x.com/pherim/status/1929735032614408324
『アスワン』https://x.com/pherim/status/1335590279018020865
『FEAST 狂宴』https://x.com/pherim/status/1764847724590150049
『波が去るとき』https://x.com/pherim/status/1599968751872798721
■国内過去公開作(含映画祭上映作)
『ブラッドショット』Bloodshot
頑強海兵隊員が誘拐され射殺された。と思ったら、謎組織のナノテクノロジーで超人復活を遂げ日陰世界で大活躍。
ヴィン・ディーゼル主役ながら、謎組織の謎科学者リーダー演じるガイ・ピアースが謎に際立つ。LUCYやトランセンデンス想わすぬめり肌感CG懐かしい。
"Bloodshot" https://x.com/pherim/status/1936761208247664702
『LUCY/ルーシー』https://x.com/pherim/status/524617754158985216
『トランセンデンス』https://x.com/pherim/status/469308966174867456
『MEMORY メモリー』https://x.com/pherim/status/1656936275784654848
『マザーレス・ブルックリン』Motherless Brooklyn
エドワード・ノートン監督/脚本/主演のハードボイルド探偵物。
1957年のNYを舞台に、神経精神疾患をもつ探偵に扮するノートン本人のチック症演技で魅せまくる。ウィレム・デフォーやA・ボールドウィン、ブルース・ウィリスら脇役陣も味わい深い。
"Motherless Brooklyn" https://x.com/pherim/status/1931697832546963887
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』https://x.com/pherim/status/1604672973750665216
『ソーセージ・パーティー』https://x.com/pherim/status/826055610714058752
『ライトハウス』https://x.com/pherim/status/1412753021285453824
『哀れなるものたち』https://x.com/pherim/status/1807382652531691537
#2025年5月映画ランキング
Bonhoeffer: Pastor. Spy. Assassin.
突然、君がいなくなって Ljósbrot
ある一生 Ein ganzes Leben
ガール・ウィズ・ニードル Pigen med nålen
デリカド
デビルズ・バス Des Teufels Bad
秘顔 ひがん
クィア/QUEER
脱走
ふたりの5つの分かれ路
再見:未完成の映画
おしまい。
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