今回は、1月13日~1月21日の日本上映開始作を中心に、11作品を扱います。(含再掲1作)
タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート
[https://twitter.com/pherim]まとめの第252弾です。
強烈オススメは緑、
超絶オススメは青で太字強調しています。
(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)
■1月13日公開作
『モリコーネ 映画が恋した音楽家』
凄まじい出演陣。エンニオ・モリコーネをトルナトーレが撮ることでのみ為しえた、戦後映画史を体現する70名超の顔ぶれに圧倒される。
映画音楽の道を迷い恥じたという驚き。ハンス・ジマーらが解析する旋律の革新性。そして嬉しい名作回顧の奔流。これは芳醇。
"Ennio" https://twitter.com/pherim/status/1611553399107104772
『モリコーネ 映画が恋した音楽家』で、熱くエンニオを語る面々。
イタリア勢:ダリオ・アルジェント④↘/ベルトリッチ③↙/セルジオ・レオーネ/J.モランディ/パゾリーニも出ちゃう
国際勢:クリント・イーストウッド②↘/H.ジマー/Tarantino/Terrence Malick/Bruce Springsteen etc.etc.
『サッドヒルを掘り返せ』https://twitter.com/pherim/status/1611553372372635648
『海の上のピアニスト イタリア完全版』https://twitter.com/pherim/status/1296642459825393666
■1月20日公開作
『野獣の血』
釜山で対立する極道を描く韓流ノワール良作。
1993年の暴力と欲望渦巻く港町という設定が絶妙で、懐かしさすら覚えるヤクザの仁義と作法は港町江陵舞台の秀作“狼たちの墓標”↓を想起させる。
主演チョン・ウ&養護施設の幼馴染役チ・スンヒョン他、脇役陣も各々個性的で見応えあり。
"뜨거운 피" "Hot Blooded" https://twitter.com/pherim/status/1612436468315873280
『狼たちの墓標』https://twitter.com/pherim/status/1528272006143430656
『偽りの隣人 ある諜報員の告白』https://twitter.com/pherim/status/1431595587393122306
『模範家族』https://twitter.com/pherim/status/1560840489297133568
『ヒトラーのための虐殺会議』
第2次大戦下、“ユダヤ人問題の最終解決”を議題に湖畔で催された秘密会議。
ナチス親衛隊(SS)大将ハイドリヒの野望、内務省/国防軍各高官の鍔迫り合い、“処理”コストやユダヤ人定義を巡る議論、を見事に回収しゆく有能官吏アイヒマン。その明晰さ、緻密さに言葉失う。
"Die Wannseekonferenz" "THE CONFERENCE" https://twitter.com/pherim/status/1612778374971428865
『ヒトラーのための虐殺会議』をめぐり書きました。
ハイドリヒの野心とアイヒマンの冷静。
ナチス親衛隊の底に潜む宗教的熱情と、怜悧な計算高さの貫徹。
ドイツ義勇軍、チュートン騎士団からの呼び声。
プロ倫とルドルフ・ヘス手記など。
【映画評】躊躇と遂行 - キリスト新聞社HP
http://www.kirishin.com/2023/01/19/58237/
『ナチス第三の男』ハイドリヒ暗殺計画 https://twitter.com/pherim/status/1084772346613837825
拙稿「神はアウシュヴィッツを赦しうるか」http://www.kirishin.com/2021/11/30/51683/
『シャドウプレイ 【完全版】』
広州の摩天楼直下の半ば廃墟化した“村”という、中国現代を象徴する舞台がひたすら眼福。
実際の汚職事件を元に『ブラインド・マッサージ』の婁燁(ロウ・イエ)が、香港台湾を包含し30年の時間軸もつ刑事劇を組み上げる。時系列の錯綜が過剰だが、検閲に2年かかった時代性の表出とも。
"风中有朵雨做的云" "The Shadow Play" https://twitter.com/pherim/status/1198449373157326848
初見時ツイ(@東京フィルメックス):https://twitter.com/pherim/status/1198449373157326848
メイキングof『シャドウプレイ』:https://twitter.com/pherim/status/1198803747205287936
『ブラインド・マッサージ』“推拿”2014 https://twitter.com/pherim/status/1613384382282358784
『夢の裏側~ドキュメンタリー・オン・シャドウプレイ』
婁燁の妻であり脚本家の馬英力(マー・インリー)によるメイキング。
中国の大都市暗部への焦点化がいかに困難かを赤裸々に映しだす。現場での格闘を経てなお検閲との熾烈な持久戦が待つ展開は、中国国内では到底上映不可能。極めて見応えあり。
[動画見当たらず]
"Behind the Dream: A Documentary on the Shadow Play" https://twitter.com/pherim/status/1198803747205287936
『母の聖戦』(市民/La Civil)
娘を誘拐された母が、軍を巻き込み犯罪組織の深層に迫るクライム劇。
『息子の面影』と同じメキシコ舞台ながら、81年生まれ監督テオドラ・アナ・ミハイはチャウシェスク政権下のルーマニアからベルギーへ亡命した異色経歴でドキュメンタリー調が魅せる。ダルデンヌ/ムンジウらが製作に居並ぶ肝煎りの質実。
世界を圧倒する母の執念。
"La Civil" https://twitter.com/pherim/status/1606855330092429312
メキシコの母描く近作:
『息子の面影』“Sin Señas Particulares”https://twitter.com/pherim/status/1453725858095534098
『もうひとりのトム』“El otro Tom”https://twitter.com/pherim/status/1461170429150695430
■1月21日公開作
『新生ロシア1991』
ソ連でクーデターが勃発した’91年8月19日のレニングラード(現サンクト・ペテルブルク)で、宮殿広場に集う群衆が時代を変えるうねりと化していた。
モスクワからの公共放送が「白鳥の湖」を流し続ける前後不覚の状況下で人々がみせる当惑と興奮。報道が伝えなかった文化首都の熱気に圧倒される。
"Sobytie" "The Event" https://twitter.com/pherim/status/1612313702476414976
拙稿「ルーシの呼び声《4》」URL後日追記
同時系列の1991年リトアニア独立描く『ミスター・ランズベルギス』
https://twitter.com/pherim/status/1589813414070988800
ロズニツァ連ツイ 群衆三部作,ドンバス,バビ・ヤール他
https://twitter.com/pherim/status/1322013378240372736
レニングラード1980年代『LETO -レト-』
https://twitter.com/pherim/status/1512765165502042118
レニングラード1960年代『ドヴラートフ レニングラードの作家たち』
https://twitter.com/pherim/status/1272723826460094465
レニングラード1945年『戦争と女の顔』
https://twitter.com/pherim/status/1547563782066487296
■国内劇場未公開作(含VOD公開/DVDスルー作)
『レフト―恐怖物件―』
新居に越してきた一家が、どうもこの家なにか変と感じだす。
ケヴィン・ベーコンのパパ役流石、アマンダ・セイフライドの溌溂ママ役も瑞々しい。ただお屋敷スリラーのジャンル内最大公約数っぽい仕上がりは、名うての脚本家デヴィッド・コープがメガホンを採り凶とでた感。
"You Should Have Left" https://twitter.com/pherim/status/1614242815588040711
『ヘレディタリー/継承』https://twitter.com/pherim/status/1078192681652674560
『イット・カムズ・アット・ナイト』https://twitter.com/pherim/status/1063762952233246720
■日本過去公開作(VOD配信作)
『レッド プラネット』
人類火星移住の先遣隊が挑む、想定外の事態との格闘。
2000年公開作で、90年代の想像力で彩られる宇宙ギミックが諸々懐かしい。InterstellarやThe Martianとほぼ被る役柄が複数登場し、後続に影響力ある作品だったのねと。
おせちを突付きつつ観たら意外に面白く満足(腹)。
"Red Planet" https://twitter.com/pherim/status/1609892882063953920
『インターステラー』 IMAXレーザーGT https://twitter.com/pherim/status/1309486761232326659
『オデッセイ』 “The Martian”https://twitter.com/pherim/status/1609892864682778624
『映画大好きポンポさん』
軽快かつストレートな映画製作物語。
ポンポさん始め強烈なキャラ個性に惹きつけられる。
15秒の予告編作成で開眼する序盤と、鬼の形相で削る編集場面とのコントラストが眩しくて好き。配信サイトで推薦され何気なく観だしたら、話運びが巧すぎてイッキ見してもた。
"" https://twitter.com/pherim/status/1611189352423620608
『ワルキューレ』“Valkyrie”
国防軍大将役ビル・ナイもイカすブライアン・シンガー2008年作。
ナチス映画記事のため再見。一人を英雄視する点批判もある本作ながら、複数のヒトラー暗殺計画巡る読書後でもあり初見時より断然面白かった。
"Valkyrie" https://twitter.com/pherim/status/1606461212354834432
トム・クルーズ主演 クリストファー・マッカリー脚本ゆえここへ紐づけ。
→TopGun to M:I機上ツイ by Tom Cruies
https://twitter.com/pherim/status/1604626244124803072
拙稿「カルト、抵抗、不可能性。 再監獄化する世界(6)」
http://www.kirishin.com/2022/08/29/55942/
(地味に『ワルキューレ』を一方の軸とする記事になってます)
余談。諸般の事情を引きずりながら、4,5ヶ月ほど引っ張ってしまった記事をようやく出稿。
無意識の負荷が相当あったらしく、9時間睡眠の儀。
途中1,2度起きた記憶もあるとはいえ、6時間以上つづけて横になれること自体が最近稀なので、これは驚き。
まぁその余波で溜め込んでる観たいものリストも長め状態なので、やうやう消化いたしとう。
おしまい。
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