今回は、11月22~30日の日本上映開始作など、10作品を扱います。(含配信アニメ1クール/再掲2作)
タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート
[https://twitter.com/pherim]まとめの第336弾です。
強烈オススメは緑、
超絶オススメは青で太字強調しています。
(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)
■11月22日公開作
『ドリーム・シナリオ』
ニコラス・ケイジ教授が悪夢に現れる症候群、世界を覆う。「あなたのせいで毎日不安」と人々から責められ消耗する不憫なニコケイ、正直かわいい。
承認欲求の闇覗く“Sick of Myself”↓から、ユング的無意識へ深層展開するクリストファー・ボルグリ監督脚本作、今後も楽しみ。
"Dream Scenario" https://x.com/pherim/status/1857035015692939452
『シック・オブ・マイセルフ』“Syk pike” https://x.com/pherim/status/1711920935803179406
『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』https://x.com/pherim/status/1058196420342075392
自己繰り込みが中途半端。ミュトス、世界はこうなっていると思わせる力。
『海の沈黙』
本木雅弘の吐血と凝視、そして狂気。
真作を超える贋作の謎から展開しゆく、孤高の画家の失踪と、残された者たちの苦渋。
小泉今日子や清水美砂と拮抗する新星/菅野恵が鮮烈。中井貴一や萩原聖人演じる美術業界人も趣深い。倉本聰原作脚本、空母いぶき/Fukushima 50の若松節朗監督作。
"" https://x.com/pherim/status/1857713242401067458
『空母いぶき』https://x.com/pherim/status/1130311476638507008
本木雅弘「自信持ったことない」https://news.yahoo.co.jp/pickup/6519786
『島守の塔』萩原聖人さんにインタビューしました。https://www.kirishin.com/2022/07/22/55330/
『チネチッタで会いましょう』
映画の製作現場を物語化した映画を撮る老監督、というありがち事態を本人主演で対象化するナンニ・モレッティ監督新作。
フェリーニ他の名作群が大量引用、マチュー・アマルリックに加え過去作俳優もわらわら出演、奔流のごとく終幕へ殺到する力技に圧倒される95分。
"Il sol dell'avvenire" "A Brighter Tomorrow" https://x.com/pherim/status/1856300657097265584
『母よ、』https://x.com/pherim/status/706445193268989952
マチュー・アマルリック『月の寵児たち』『彼女のいない部屋』https://x.com/pherim/status/1625460754609741825
■11月29日公開作
『オートレーサー 森且行 約束のオーバルへ』
“なぜSMAPを抜けてオートレースへ”
という謎が、初めて解き明かされた感。
24年をかけ日本一の座へ、そして絶望視された重傷からの再起。レース前のマシンと向き合う姿、逆境を跳ね返す道のり。新しい地図 を今も共に歩いてる心情の吐露がアツい。
"" https://x.com/pherim/status/1859792022774903145
『喜望峰の風に乗せて』https://x.com/pherim/status/1081105276319674369
『山逢いのホテルで』“Laissez-moi”
アルプス望む町で、障碍のある息子を育てながらリゾートホテルへ来る一人客とのアヴァンチュールにいそしむ仕立て屋女の日々。
マジ恋へ突入する物語の核よりも、周辺描写で魅せる一作。幻滅/ボレロ他のジャンヌ・バリバール、メモリアの博士役だったのね。
"Laissez-moi" "Let Me Go" https://x.com/pherim/status/1860308671017943363
『ボレロ 永遠の旋律』“Bolero”https://x.com/pherim/status/1821153440086815200
『幻滅』“Illusions perdues”https://x.com/pherim/status/1646355801144172544
『MEMORIA メモリア』https://x.com/pherim/status/1491968334459404289
拙稿「明滅するリアル 『MEMORIA メモリア』」https://www.kirishin.com/2022/03/04/53173/
『雨の中の慾情』
肉欲の妄想を描く貧乏漫画家(成田凌)の、妖艶なる福子(中村映里子)と、良き先輩の恋敵(森田剛)との共同生活が、南方戦線での娼館へ突如パラレルワールド化したりするつげ義春原作世界。
片山慎三監督十八番の困窮描写、核心は情念性にあるのねと把握。
"Lust in the Rain" "雨中的慾情" https://x.com/pherim/status/1853408444914823632
『岬の兄妹』https://x.com/pherim/status/1099214692705136640
『さがす』https://x.com/pherim/status/1462405039406792710
『ガンニバル』https://x.com/pherim/status/1683457472848363522
『軍中楽園』https://x.com/pherim/status/1000704947925626880
『コール・ミー・ダンサー』
ムンバイの少年が、英国ロイヤル・バレエ学校入学を果たし、トップダンサーとなるまで。
キレある踊り眼福の、マニーシュ・チャウハン/Manish Chauhan一代記。労働者階級の両親が語る、戸惑いから誇りへの道程やキブツ描写などアツい。
"Call Me Dancer" https://x.com/pherim/status/1860149211356102763
『ストリートダンサー』https://x.com/pherim/status/1762803280412123400
『ポライト・ソサエティ』https://x.com/pherim/status/1824279675809767934
『ネネ -エトワールに憧れて-』“Neneh Superstar”https://x.com/pherim/status/1857780572757832098
■11月30日公開作
『うってつけの日』
自然消滅した恋人関係に流れる微温的な時間を撮る/録る、岩崎敢志初長編。
録音畑出身監督の職人的な手つき視て聴く作品で、車内メインの展開は異色で印象深い。スポットの脇で働く録音スタッフを描く上で、主演/村上由規乃(走れない人の走り方/街の上で)のアクの無さも効く。
"They give me a day I will never forget" https://x.com/pherim/status/1858340504066469929
『走れない人の走り方』https://x.com/pherim/status/1783687381629161605
『街の上で』https://x.com/pherim/status/1378335473408466948
■日本公開中作品
『十一人の賊軍』
越後山奥の攻防。辺境の局所戦に、新発田藩の存亡巡る勢力間の思惑絡み重層化する仕立て圧巻の白石和彌監督新作。
山田孝之&仲野太賀他の砦描写と並行し、屋敷内で戦い切り独断で官軍と幕府軍を騙す家老役の阿部サダヲがまた凄い。“七人の侍”の泥臭さと“十三人の刺客”の速度感。
"11 Rebels" https://x.com/pherim/status/1851051557632274528
『七人の侍』https://x.com/pherim/status/1245612200502259714
『死刑にいたる病』https://x.com/pherim/status/1521471258382434306
『50回目のファーストキス』https://x.com/pherim/status/1004715929580732416
■VOD配信/TV放映作(非劇場公開作)
『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』
ジオン軍の下士官視点で見あげる、敵軍の意味不明に強い新型モビルスーツ、ガンダムの気味悪さ。
しかも乗ってるの子どもっぽい。っていうザク操縦士らの戸惑いも新しい。パトレイバー想起させる整備場面とか、胸アツ描写多く満足。
"Gundam: Requiem for Vengeance"
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』https://x.com/pherim/status/1636210258006913024
黒ガンダム by 天野喜孝 https://x.com/pherim/status/1120861273632100352
《ヴォイス・オブ・ヴォイド》https://x.com/pherim/status/1411686289536020482
余談。森且行、意外に観てよかった感。
オートレース場の轟音を聞いて育ったせいもかなりあるんだろうけど。
あんなサーキットを生き場に選ぶなんてと謎だったけどいやほんと、いろんな人生があるもんですね。
自分にとっては毎週末うたたね寝を阻害してくる、年に一度のお祭り会場でしかなかったので。
おしまい。
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