今回は、1月24~31日の日本上映開始作を中心に、11作品を扱います。(含再掲1作)
タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート
[https://twitter.com/pherim]まとめの第347弾です。
強烈オススメは緑、
超絶オススメは青で太字強調しています。
(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)
■1月24日公開作
『嗤う蟲』
若い夫婦が里山へ引っ越すと、村びとたちがだんだん不穏になりだしさぁ大変。
という定番展開を巧みに調理する城定秀夫監督作。座組&演出&題名が良いぶん、もっと練れたろう脚本がやや惜しい。
若葉竜也+深川麻衣、松浦祐也+片岡礼子、田口トモロヲ+杉田かおるの夫婦3組が各々魅せる。
"" https://x.com/pherim/status/1880837790721778070
『ガンニバル』https://x.com/pherim/status/1683457472848363522
『毒娘』https://x.com/pherim/status/1777293404323627141
『ペナルティループ』https://x.com/pherim/status/1772982133776060842
『ヌルボムガーデン』
家系ホラーを、実在する著名な心霊スポットを舞台に仕上げる“女神の継承”プロデューサーのク・テジン監督作。
怖がらせる意図が明確すぎてしばしば笑ってしまうB級感あふれる割に、ホラーギミックのないシーンで深層心理を捉える黒沢清的カットがちょいちょいあって興味深い。
"늘봄가든/Spring Garden" https://x.com/pherim/status/1880942305194266796
『女神の継承』https://x.com/pherim/status/1550454518621450240
怖さのコツ by 黒沢清 https://x.com/pherim/status/1852642349513597395
『Moirai』
オムニバス3話。恋人の中身が別人と気づくペナルティループの荒木伸二監督作「その誘惑」が別格。星新一的日常SFからの今日的着地は見事。
馬頭男が生々しい二宮健監督作「嗚呼、かくも牧場は緑なりけり」、竜頭蛇尾感が惜しい。山⻄⻯矢監督作「母と牛と」は踊りだし場面良いも生煮え。
"" https://x.com/pherim/status/1881887906039738863
『ペナルティループ』https://x.com/pherim/status/1772982133776060842
■1月24日配信開始作
『ボーダーランズ』Amazon Prime
ゲーム世界の質感再現、とりわけ硬質的メカ演出に謎の中毒性を感覚。
ケイト・ブランシェット扮する賞金稼ぎの、依頼に乗り気でない表情仕草がくり返され、本作主演する彼女自身をメタにパロってるのがまず面白いイーライ・ロス監督作。
"Borderlands" https://x.com/pherim/status/1880459240403583010
『TÁR/ター』https://x.com/pherim/status/1656305607694221312
『バーナデット ママは行方不明』https://x.com/pherim/status/1706176427597660241
『キャロル』https://x.com/pherim/status/1606818164272435200
拙稿「彼女の瞳の内なる怯え」https://note.com/pherim/n/n2f97dbc271fe
『聖杯たちの騎士』スレ https://x.com/pherim/status/822757457743122432
『ニュースの真相』https://x.com/pherim/status/760847785277075457
『シンデレラ』https://x.com/pherim/status/579050642737516544
『ミケランジェロ・プロジェクト』https://x.com/pherim/status/448043146295799808
『ブルージャスミン』https://x.com/pherim/status/403939222895083520
『エリザベス:ゴールデン・エイジ』https://x.com/pherim/status/1569914502661156865
■1月25日公開作
『雪子 a.k.a.』
ラップバトルを志す、小学校教師29歳の屈託。
格闘する生徒一人ひとりを見守る昼の姿と、夜の公園でのセッションとの対照が全編を引っ張る。
音楽が主要テーマなのに、グルーヴの芽を毎度消すぶつ切り演出は謎。主演の山下リオ、見せつけるでもない表情仕草の端々まで本当に巧い。
"" https://x.com/pherim/status/1882686081042456711
『寝ても覚めても』https://x.com/pherim/status/1035887434901250049
『零落』https://x.com/pherim/status/1634826516159934464
■1月31日公開作
『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』
ティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーア、
2人の競演で魅せるアルモドバル新作。
生煮え感ある映画祭上映作を観続けた眼にこのウェルメイド感は滅法眩しい。それだけに終盤のひねりが不足気味。主題ほどに社会派作を志向しないのがアルモドバル風味とはいえ。
"La habitacion de al lado" "The Room Next Door" https://x.com/pherim/status/1858492601412014394
『ヒューマン・ボイス』https://x.com/pherim/status/1594176906966204417
『邪悪なるもの』
このホラー表現は新鮮。
教会が機能しない村で、ある兄弟が悪魔憑き発生の事態を甘く見積もり、燎原の火の如く広がる惨劇と怪事の連鎖。
情緒伴うジャンプスケア他、方向性は異なれどシャマラン初見時の驚きを想起させ、デミアン・ルグナ今後が楽しみ。
"Cuando acecha la maldad/When Evil Lurks" https://x.com/pherim/status/1883846560355881222
『ダーク・アンド・ウィケッド』https://x.com/pherim/status/1462984035844513795
『ウィッチ』https://x.com/pherim/status/886105903593697280
『マローボーン家の掟』https://x.com/pherim/status/1595421367914332162
『映画を愛する君へ』Spectateurs!
アルノー・デプレシャンによる自伝的映画探求。
人々が映画愛を告白する時間の豊かさ、不思議に見入る。ファントマ、怒りの火、ショア。現実がスクリーンに映り込むと何が起きるか、デプレシャンは問い続ける。
マチュー・アマルリックの粋な風格に見惚れる。
"Spectateurs!/Filmlovers!" https://x.com/pherim/status/1884932322904215944
『チネチッタで会いましょう』https://x.com/pherim/status/1856300657097265584
『月の寵児たち』https://x.com/pherim/status/1625460754609741825
『ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた』
痛みと解放、後悔と愛。父の犠牲、傷ついた夢。
1970sの名曲群と穏やかな映像のテンポが沁みる。
ケイシー・アフレック、立ち直れない男の哀愁顔を演じさせたら無敵では。幾重にも練られた発見と歓喜のうねりが圧巻のビル・ポーラッド監督脚本作。
"Dreamin' Wild" https://x.com/pherim/status/1884440243174273473
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』https://x.com/pherim/status/859731969088802816
『ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ』https://x.com/pherim/status/1484734593400176640
『BLUE FIGHT 蒼き若者たちのブレイキングダウン』
GACKTのラスボス格闘家ムーヴと、朝倉未来の冷静沈着語りが鬼気迫る、三池崇史にしか撮れないヤバ作品。
少年院で出逢う二人の物語で、脇役に寺島進や高橋克典、クローズZERO出演陣、山田孝之から土屋アンナ、堀江貴文まで意味不明にアツい。
"" https://x.com/pherim/status/1884811866649886941
『藁の楯』https://x.com/pherim/status/1817072240682578254
『チェイン・リアクションズ』https://x.com/pherim/status/1857402794833264809
『パピヨン』Papillon 1973
ダスティン・ホフマンの韜晦と、スティーブ・マックイーンの克己が魅せる。
絶海の監獄島へ収容された男=通称パピヨンの手記に基づく名篇4Kリマスター。
2019年版で削られたレプラ患者との対峙、原住民との婚姻、中国移民の使役など見処多し。
"Papillon" https://x.com/pherim/status/1885153497928392755
『パピヨン』2017 https://x.com/pherim/status/1140100005224574976
拙稿「【映画評】ここではない、どこかへ」https://www.kirishin.com/2019/06/14/25771/
余談。
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次点:第九交響楽/毒舌大狀
おしまい。
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