pherim㌠

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pherim㌠さんの日記

(Web全体に公開)

2025年
02月11日
21:50

ふぃるめも348 野生のレコードジャケットを売る戦士

 
 

 今回は、2月7~8日の日本上映開始作を中心に、10作品を扱います。(含配信ドラマ1クール/短編2作/再掲1作)

 タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート[https://twitter.com/pherim]まとめの第348弾です。強烈オススメは緑超絶オススメは青で太字強調しています。(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)


 
■2月7日公開作

『野生の島のロズ』

孤島へ不時着したロボットの起こす奇跡に泣く。
動物とロボが喋るファンタジーありきでなく、動物言語を深層学習する描写の説得力が後半素敵に活きる。
ジブリを敬愛する監督の描くラピュタロボには、PLUTO 攻殻想わせる画もあり、自我芽生える過程に見入る。

"The Wild Robot" https://x.com/pherim/status/1881672582120038860

『ロボット・ドリームズ』https://x.com/pherim/status/1847859128062136773
『アフター・ヤン』https://x.com/pherim/status/1588776681707536384
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版』https://x.com/pherim/status/1449558496853123076





『ヒプノシス レコードジャケットの美学』
ピンク・フロイドのプリズム他、名だたるUKロック名盤のジャケット絵を担当し続けたHipgnosis2人組の視覚的挑戦の旅路。マッカートニー、ペイジ、ギルモア、ギャラガーらによるデザイン語りのレア豊穣。

"Squaring the Circle: The Story of Hipgnosis" https://x.com/pherim/status/1887691660471284021

60年代、音楽は世界を変えうるアートだった。いまは消費財だ、親会社の株価さえ左右する。ギャラガ

『シド・バレット 独りぼっちの狂気』https://x.com/pherim/status/1788344801341182035
『オアシス:スーパーソニック』https://x.com/pherim/status/816564561687908354
『ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ』https://x.com/pherim/status/1484734593400176640





『ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女』
ジャズシンガーを夢みる女が、ベルリンに潜む同胞をナチスへ密告して生き延びる。
活力に富む若者が狡知に長けた背信者へ堕す描写の、説得力に充ちた物悲しさ。“ぼくは君たちを憎まないことにした”のKilian Riedhof監督作。

"Stella. A Life./Last Song for Stella" https://x.com/pherim/status/1886030035913789519

『ぼくは君たちを憎まないことにした』https://x.com/pherim/status/1722607802680746298
『ソニア ナチスの女スパイ』https://x.com/pherim/status/1300035914119274502
『ホロコーストの罪人』https://x.com/pherim/status/1426439522137432066





■2月8日公開作

『ハイパーボリア人』Los hiperbóreos

南米チリの独裁政権下で結びつく、ナチス優生思想とナウシカ原作ばりの人類補完的空想力、そしてゲーム的リアリズム。
秘教的文化人にして外交官のミゲル・セラーノを軸とする、“オオカミの家”や“骨”より奇想天外にして、より直裁な現代史批判が胸を撃つ。

"Los hiperbóreos/The Hyperboreans" https://x.com/pherim/status/1886319511332384850

『オオカミの家』https://x.com/pherim/status/1692764713392980417
『骨』https://x.com/pherim/status/1693814529325731943





『名前のノート』Cuaderno de Nombres
ピノチェト独裁下で、行方不明になった若者たちを想う親たち、友たち、恋人たち。
パブロ・ラライン、パトリシオ・グスマンらとも共鳴する筆圧の生むうねり、連呼される名の群れの奥向こうからたちあがる気配の不気味さに戦慄する。

"Cuaderno de Nombres/Notebook of Names" https://x.com/pherim/status/1889288960863535467

『ザ・タワー』https://x.com/pherim/status/1364533508589322244
『1976』https://x.com/pherim/status/1594324040432635905
『エマ、愛の罠』https://x.com/pherim/status/1308974656871960576





■国内公開中作品

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』

開幕数分でシャアのガンダム強奪、からのホワイトベース乗っ取り、十分でニュータイプ=超能力発現っていう3倍早い奴。
庵野秀明おっさんホイホイの術に魂奪われてると、中盤からエメラルドグリーンとサーモンレッドがひしめく21世紀アニメ始まる濃縮快作。

"" https://x.com/pherim/status/1887120597618213316 

『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』https://x.com/pherim/status/1861036529973670358
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』https://x.com/pherim/status/1636210258006913024
天野喜孝によるガンダム画 https://x.com/pherim/status/1120861273632100352





■《デトレフ・ジールクからダグラス・サークへ》シネマヴェーラ渋谷
 http://www.cinemavera.com/preview.html?no=324

『第九交響楽』Schlußakkord 1936
子を置いてナチスから逃亡した若い夫婦。夫が収監された妻は、交響楽指揮者の養子となった子を求め、乳母として指揮者宅へ潜り込む。
不倫と良心巡る藪の中展開へ、のち亡命する監督自身の不安が映り込む特集《デトレフ・ジールクからダグラス・サークへ》の一作。

"Schlußakkord" https://x.com/pherim/status/1885564059665485946

『あなたの目になりたい』https://x.com/pherim/status/1642709677166440451




■VOD配信/TV放映作(非劇場公開作)

『イカゲーム シーズン2』

極秘ゲームの開催地は韓国南部の孤島で、第2期は外部社会を直に巻き込む展開で魅せる。
この意味で組織側サイコパス役でコン・ユを使い捨てる一点集中がキマった他、捜索班に雇われる漁師役オ・ダルスも超利く。イ・ビョンホン含め、監督との信頼関係窺わせる好後続作。

"오징어 게임 시즌2/Squid Game Season 2" https://x.com/pherim/status/1879726120121290868

『偽りの隣人 ある諜報員の告白』https://x.com/pherim/status/1431595587393122306
『THEWILD 修羅の拳』https://x.com/pherim/status/1760631957770379774
『天命の城』https://x.com/pherim/status/1011217544605155328





“Hardly Working” by TOTAL REFUSAL
オンラインゲーム仮想世界の住人をめぐる考察。
一日中、桟橋で釘を打つ職人、同じ場所を掃き続ける婦人、雨の日も屋外で洗濯をやめない家政婦etc.
中の人がいないNPC達の挙動を通し、資本主義世界の滑稽さを逆照射する快作短編。
全編:https://vimeo.com/channels/staffpicks/728924613

"Hardly Working" https://x.com/pherim/status/1889200762863108397

『シュガー・ラッシュ:オンライン』https://x.com/pherim/status/1090865476924657665
『ジュマンジ』https://x.com/pherim/status/946271204914036736





■国内過去公開作(含映画祭上映作)

『毒舌弁護人〜正義への戦い〜』“毒舌大狀”
U-NEXT他
裁判官を辞した不良弁護士が、不条理な児童虐待事件の裏に巨悪潜む真実と対峙する。
旧英国式に法曹人が純白カツラを被る香港法廷や、移民&格差描写が興味深い、重厚な物語を軽快に描く良作。
謝君豪や廖子妤/フィッシュ・リウなど出演陣重畳。

"毒舌大狀/A Guilty Conscience" https://x.com/pherim/status/1875408438366499090

『濁水漂流』https://x.com/pherim/status/1607931966103638016
『幼な子のためのパヴァーヌ』“搖籃凡世” https://x.com/pherim/status/1866313647875830122






 余談。東京の最低気温がようやく零下へ到達しましたね。昔でいう秋物までしか着てないのでそれなりに寒さも感じてるけど、やっぱ全然それなりだよな~、と。

 『野生の島のロズ』、来月公開くろねこの冒険『Flow』、昨年暮れのわんこロボ『ロボット・ドリームズ』。宮﨑チルドレンで括られる世代の世界水準での黄金期に入った観。3作とも年ベスですよ、劇場でこれ観た子どもの中には、生涯の宝として心に残る子はきっといるだろうっていう。お勧めです。





おしまい。
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