今回は、3月20日~22日の日本公開作と、《アラン・ギロディ監督特集》上映作など10作品を扱います。(含配信ドラマ1クール/短編1作)
タイ移住後に始めた、劇場/試写室で観た映画をめぐるツイート
[https://twitter.com/pherim]まとめの第355弾です。
強烈オススメは緑、
超絶オススメは青で太字強調しています。
(2020年春よりドラマ含むネット配信作扱い開始。黒太字≠No Good。エッジの利いた作品や極私的ベストはしばしばタイトル黒太字表記です。)
■3月20日公開作
『教皇選挙』Conclave
14億人のカトリック教徒が見守る、世界政治の縮図のようなコンクラーベの内なる沸騰。
レイフ・ファインズが、自らも候補者たり得る枢機卿でかつ選管という難役こなす男を熱演。最強の家父長制たるこの場に鋭い一閃を入れるシスター長(イザベラ・ロッセリーニ)の逡巡も魅せる。
"Conclave" https://x.com/pherim/status/1901963082114760815
『ザ・メニュー』https://x.com/pherim/status/1711212323980091682
『オフィシャル・シークレット』https://x.com/pherim/status/1298090835351756800
『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』https://x.com/pherim/status/1125950422529728514
『ジェリーの災難』Starring Jerry As Himself
台湾系移民翁が、中国警察を騙る詐欺で老後資金を失う。これを自らの脚本主演で映画化、資金回復を企む奇特作。
アクの強いリアル家族面子が、不満タラタラながらも親身に手伝う華僑の結束感。イケメン過ぎる警察、前妻ダンス長すぎなど諸々笑える。
"Starring Jerry as Himself" https://x.com/pherim/status/1902589710188622326
『わたしは金正男を殺していない』https://x.com/pherim/status/1313313239799799808
『BAD LANDS バッド・ランズ』https://x.com/pherim/status/1748712126581993890
■3月22日公開作
『光る川』
質の良い木材を求め、森奥を移住し続ける木地師に焦点を充てるレア視点。
工芸をなし轆轤師とも呼ばれる明治に途絶えた生態を、1958年の里に伝わる悲恋物語へ結びつけ、サステナビリティへ開く発想も面白い。伐採後の切り株に芽を差し木こりの男達皆で合掌する場面の透明感など印象的。
"" https://x.com/pherim/status/1902295979623379314
『山歌(サンカ)』https://x.com/pherim/status/1515663363162124289
■《アラン・ギロディ監督特集》3月22日~
https://www.sunny-film.com/alain-guiraudie
『ミゼリコルディア』Miséricorde 2024
帰郷したパン職人が、滞在先のパン屋の未亡人との仲をその息子に疑われて始まるサスペンス、のような展開だけれど細部が全然そうじゃない。
遂行よりも未遂に焦点化するアラン・ギロディー監督作、滋味溢れる神父の言動が沁みる。剛速球の“理想郷”↓に対する超絶変化球とも。
"Misericordia" https://x.com/pherim/status/1900415559000580232
『理想郷』“As bestas” https://x.com/pherim/status/1720418235382894770
『ノーバディーズ・ヒーロー』Viens je tʼemmène 2022
娼婦に純愛だからタダでしてと迫る白人男、男の家に居着く放浪アラブ青年、そして町にテロが起こる。
自宅がテロ報道に映っても一切社会化されず、全てが私的圏域で味わわれる不思議な距離感、そこに潜む情欲と哀切、笑いの渦。全力で優しくあろうとする人々が熱い。
"Viens je tʼemmène/Nobodyʼs Hero" https://x.com/pherim/status/1901844907280441598
『月の寵児たち』1984 https://x.com/pherim/status/1624738678303256576
『ハデウェイヒ』2009 https://x.com/pherim/status/761714789626224640
『湖の見知らぬ男』L'inconnu du lac 2013
夏の湖畔、男達の滾る逢瀬と不穏の兆し。
うららかなハッテン場描写と、裏山の繁みへしけ込む野郎どもの微笑ましさに和みつつ、サスペンス進行にハラハラするアラン・ギロディー出世作。
生死すらも背景化させてまう本作の主人公は欲望かなと。駐車場の演出など滋味深い。
"L'inconnu du lac/Stranger by the Lake" https://x.com/pherim/status/1903067798777237541
■国内過去公開作(含映画祭上映作)
『ナミビアの砂漠』
自由に生きたい女と失調しゆく男の今日性。
youtubeに映る砂漠の動物達、をスマホで覗く彼女は誰のものか。男を振り回すファムファタル図式が、いかに男視点だけのものか。
河合優実重畳、脇役陣みな素晴らしい。破れまくる後半が面白すぎ、山中瑶子監督次作鑑賞必至となる。
"" https://x.com/pherim/status/1899452139568849383
『敵』https://x.com/pherim/status/1854137471094960270
■VOD配信/TV放映作(非劇場公開作)
『リアリティ+』Reality+ 2014
アバター技術の超進化したボーイミーツガール近未来SF。
デミ・ムーア主演の話題作サブスタンス公開待つコラリー・ファルジャ短編で、ANONも想起させるオサレ攻殻ギミック悪くない。
理想の女性アバターより、隣室の子(Aurélia Poirier)が初めから最高なのは御愛嬌。
"Reality+" https://x.com/pherim/status/1903404902342357171
『ANON アノン』https://x.com/pherim/status/1083679006929502210
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版』IMAX上映 https://x.com/pherim/status/1449558496853123076
『エレクトリック・ステイト』Netflix
ロボットの反乱平定後の荒野へ、弟を探す旅に出た少女の冒険描くルッソ兄弟監督作。
クリス・プラットの相棒役ロボが無限マトリョーシカで笑えてかわいい。ゴツゴツぶつかるロボット肉弾戦が何より見どころで、劇場公開してこそな気もするポップコーン映画良作。
"The Electric State" https://x.com/pherim/status/1901545697855590881
『グレイマン』https://x.com/pherim/status/1554447844031238144
『アリータ:バトル・エンジェル』https://x.com/pherim/status/1099948588077965312
『東京サラダボウル』
多国籍化する都心繁華街を映す《国際捜査事件簿》を通し、移民ヘイト湧くなか外国人在住者の心の襞を描きだす試み沁みる好企画。
松田龍平が、訳あり元刑事で中国語通訳という複雑な役を茫洋と演じ切る。主演/奈緒、汚職疑われる刑事役/三上博史ともに熱演、見応えあった。
"" https://x.com/pherim/status/1899789487150088566
『0.5の男』https://x.com/pherim/status/1834887353728745721
『サウダーヂ』https://x.com/pherim/status/846004803981361153
余談。『教皇選挙』と『ナミビアの砂漠』、どっちもとても良いけどそこ雑にしちゃうのもったいない、ってとこを雑にしちゃってて傑作というには一歩足りない感。この2つの良作より『ミゼリコルディア』はトータルでもっと雑なんだけど、抑えるべきとこ全く外しておらず反面そこかしこで雑さが突き抜け破れまくっておりこれは傑作。という塩梅なのです、杯。
おしまい。
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